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室井慎次は踊る

ここでちょっと箸休め
先日、上映中の踊る大捜査線のスピンオフ映画、
「室井慎次 敗れざる者」「室井信二 生き続けるもの」を観てきた


ストーリーとしては警察を辞めた室井のその後の人生を描いている
故郷、秋田で静かに暮らしていたが、
家の近くで埋められた死体が発見されてまた事件に戻されていく…的な話なのだが
引退した室井は秋田の田舎に家を買い、
事件の被害者や加害者の子供を引き取って育てている

引っ越した当初の室井はスーツのジャケットを脱ぎ、
ベストとスラックスに長靴を履いて畑仕事をしているが
時とともにスラックスには皴が入り、
寒くなってきたらベストがドカジャンになり、
服装まで時とともに変化していくのが彼と村の人たちとの距離を表していて
芸が細かいなぁ、などと思いながら観ていたが
子供たちと室井の交流を見ていて途中から私の涙が決壊する
映画館の暗闇で周りに人がいないのをいいことに号泣していた

マスクをしてみていたのだが
涙が浸みて息ができなくなりそうなぐらい泣いた
もしも映画館で窒息死したとしたら
室井の映画を観ての死者1号になっていただろう

室井は結婚もせず、事件の被害者や加害者の子供を引き取って育てている
ということは当然血もつながっていない赤の他人の集まった家族である
他人同士なのに暖かい
室井の不器用さも相まって絆が深まっていくような感じだ
他人同士の家族なのにお互いを思いあって寄り添って生きていると思ったら
もう身身体中の水分が目から抜け落ちていくように涙が止まらなくなったのだ
それに引き換え、同じ血を分け合った私と姉のことを考えたら
情けなくなって余計に泣けてきた
暗闇でよかった


母が亡くなって1年と5か月
ずっと喉の奥に魚の骨が引っ掛かっているように
息苦しかったし、ずっと頭の隅に巣くって離れなかった
何故どうしてが頭の中にループして
夜中も何度も目が覚めて眠れず、
どこでボタンを掛け違えたのか
私は何かいけないことをしたのか
いや私がいけなかったのか
優しかったと思っていた姉が豹変したのはどうしてか

考えてもわからない不協和音がずっと耳の奥でなっているような
気持の悪さを感じてきた

これから裁判はどうなっていくのか
いつまで続くのか
還暦を過ぎて人生終盤の私には思ってもいなかった出来事だ

涙をこれでもかと流したおかげか、
少しだけすっきりしたような気がする

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Shura Baba
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