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捨てられちゃったおばあちゃん
私の母は兄夫婦と同居してました
母と兄は昔から仲が良くなくて
喧嘩も頻繁にしており
喧嘩をすると私のところに電話をしてきて
2.3日泊まって気持ちが落ち着いたら
帰るという感じで
もう繰り返しこんな事あるんだったら
一人暮らししたら?
何度も言った
正直度々来られると旦那さんが
嫌な顔をするので困っていたし
でも兄が家を建てる時に
半分負担していたこともあり
貯金を使い果たしたので
お金も年金のみ…
こんな感じの生活を5年程
繰り返していた
(結婚当初も兄夫婦と住んでいたのですが
震災にあい自分達だけ仮説住宅を
契約してばあちゃんは私のうちに
置いていきました)
あー
また電話きた
流石に多過ぎる
無視する訳にもいかないので
いつものように迎えに行って
私のうちにお泊まり
そして兄から電話
「ばあちゃんいるよな」
(母のことを私たちはばあちゃんと
呼んでいました)
「うん」
「もうばあちゃん要らないから
うちに帰って来るなって言って」
「えー
帰る家なかったら
どうすればいいの?」
「どうなってもいいから
その辺に置いてきてもいいし」
「そんな事言っても
ばあちゃん82歳だよ」
電話切られてしまった
その後何度か私は話し合いを
しましたが家に
入れてくれる事は
ありませんでした
本人も何が何だか分かってなくて
いつか迎えに来ると思ってるみたいだけど
来る事はなくて
現状を分かってないみたいで
明日は迎えに来るって何度も言うから
ばあちゃん 捨てられちゃったんだよ
って言った
残酷だけど現実を受け入れてもらわなきゃ
ならない
前に進まなきゃならないから
私もその時離婚をしていて
公営住宅に住んでいる為
苗字の違う人の同居は認められないって
言われて 途方にくれた…
仕方なくアパートを探すことに。
これが一番大変で
82歳の人に貸す人はいない
火事を起こされたり
孤独死されたり
私だって貸さない
見つかるまで1ヶ月
結局知り合いの伝手で
貸して頂けることに。
その後アパートに一人暮らしを
はじめてばあちゃんが
危篤状態になるまで兄夫婦は
一度も顔を見せる事はなかった
ばあちゃんは毎日何度も何度も
迎えに来ると信じて窓から
眺めていたのに…
電話一本で本人とも話さず
親子の関係を断てる人もいるんですね
亡くなる一年前くらいから
兄夫婦や孫のことはすっかり
記憶から消して
自分は娘一人しか産まなかったって
言ってたので
ある意味幸せだったのかも
最後は眠るようになくなりました