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holiday16
アスペルガーの娘に生まれて27
両親が離婚していた間、上の弟ファーストは高校を中退し、寮がある高校に入りなおした。
彼には喘息とアトピー性皮膚炎の持病がある。体の為になるべく田舎で空気のきれいなところということで、某地方の国立大学に進んだ。親戚も知り合いもいない北国でファーストは、1人で頑張っていた。
大学の学祭では、女装なんかも披露していたらしい。
幼い頃からハーフに間違えられるほど、彫りが深い顔をしているファースト。その女装姿は、かなり可愛いかったのではないか。その写真を見せてくれないか、と頼んだが
「断る!」
と言われてしまった。
ファーストとは、ボケ(私)ツッコミ(ファースト)で、いつも末弟のライトの前でコントのようなことをやっていた。
ファーストが高校を卒業する時に、一緒にコンビを組んでお笑いの道に行く気がないかと誘ったら、これまた断わられた。
ファーストは小学3,4年生の頃、喘息が酷かったので病院に入院していた。そこから院内学級の学校に通っていた時期もある。そこには、様々な病気を抱えた子供たちがいたようだ。彼らと同じ教室にいたファースト。
「姉ちゃんは知らないだろうけど、小児麻痺の子たちはとても頭がいいんだ。オセロも神経衰弱も強いし、何よりも考え方が違う。頭がいいから自分が長生きできないことも知ってるの。」
その言葉から、ファーストは私よりずっと大人なんだな、と感じた。