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わたしの父   (反撃するか、距離を置くか)

先日、大切な人の悩みを聞きました

うまくいってなかった親にやり返したい気持ちがあるけど、そうしたら自分がダメになってしまうかも…

わたしなりに考えてみました

わたしも父とはうまく関係が作れませんでした

父は昔気質で、全て父の思い通りにしないと気がすまない人でした
母もわたしも姉も父の言うなりでした
小学生時代、勉学が好きな父は休みの日曜日に、自らわたしと姉に自ら算数や英語を教えました。
その学年よりも進んだ内容でした。

竹の物差しを持って、できないと怒り物差しでひざを叩かれました。なんでこんな問題が解けないのか、責められました。

わたしはずっと月曜日が大好きでした。日曜日が一番遠いから。

進路も友人関係も父は、口を出しました。口を出すというより、従わせました。

わたしはいつも、家を出ることを夢見ていました。
でも、子どものわたしには、何もできませんでした。

一つだけ言っておくと、父は父なりに私たちを大切にしていたのだと思います。
映画に連れて行ってくれたり、散歩に出かけたりもたくさんしました。

ですがわたしは父を恐ていましたし、憎んでもいました

そんな父は、実の父である祖父を憎んでいました

祖父は石職人でした
勉強よりも手に職をつけることを大切にしていました
ですが父は勉強が好きでした
祖父の反対を押し切り、必死に勉強をしたそうです。そして東京の誰もが知る有名な大学にはいりました
そこで研究の道に進みたかったのです
てすがそんな時に祖父が倒れてしまいました
父は研究の道を諦めて、地元に帰りました
そこでこ1流企業でエンジニアの職につきました
でも父は本当に勉学が好きでした
仕事に関係なく、英字新聞をとり英語の勉強をしたり、論語を読んだりしていました

そして祖父とはほとんど口を聞きませんでした
わたしの記憶の中では、ほぼ寝たきりの祖父が何か話すと、「黙っていろ!」と、怒鳴る父の姿ばかりです

きっと、父は自分が描いていた未来を諦めたことで、祖父を許せなかったのだと思います

そして自分の夢をわたしと姉に継がせたかったのだと思います

わたしはそんな父から逃れたくて仕方がありませんでした

中学、高校の話しは、暗くなるばかりなので、割愛します

大学に入りようやく、父と離れることができました
でも、わたしはすっと父を憎んでいました

すっとわたしは孤独でした
友だちもほとんどいなく、いつもおどおどした人間でした
皮肉にも父のおかげでできるようになった勉強だけを頼りに人をみくだそ、自意識だけが高くなっていきました

そんな自分にしたのは父だと、父のせいにして、生きていきました

わたしがやっと父と決別しようと思うのには、たくさんの時間がかかりました

たくさんの人との出会い、少しずつ自分を開き人を受け入れ、怖がりながらも自分を愛そうとして、少しずつ少しずつわたしは、わたしになっていきました

わたしは大学入学から、実家には片手で数えるくらいしか帰っていません

時々母や姉から、父の様子を聞きます
多少丸くなりましたが、父は父のままだと、感じます

母や姉の人生を振り回したいだけ振り回しています

わたしは家から離れることができて、本当によかったと思っています

母と姉に申し訳ないという思いはあるにはありますが、しょうがないとも思っています
母も姉も父の側にいることを苦しみながらも、望んでいるのだと思っています

人との関係を変える時に、相手を変えるのは本当に難しいと思います
変わるか変わらないかは、相手次第です
本当に変えたいのなら、まずは自分を変えていかなくてはならないと
それか、冬が過ぎ春になるのを待つように、じっと耐えるかです

わたしは父との関係を変えるために、子ども時代はひたすら耐えました
少なくない心の傷を負いました
それが癒えるのに、本当に長い時間をかけました
そしてわたしは父を変えることは諦めて、自分や自分を大切にしてくれる人を愛するように生きるようにしました
今のところ、それで後悔はありません

父は祖父を憎んで、やり返して生きていたと思います
それは誰も幸せにしなかったと思っています

わたしが中学生の時に、祖父は心筋梗塞で亡くなりました
葬式を終え火葬の間、父は一人で見守るといい、数時間火葬場横のベンチに座っていました
あの時、父は何を感じていたのでしょうか?
後悔してのでしょうか?
祖父への愛を噛み締めていたのでしょうか?

わたしにはわかりません

そんな父は先月倒れて入院しています
痴呆が進んで、介護をどうするかを姉や母が困っている矢先でした

正直、わたしは今、父の見舞いに行こうか考える時はあります
行かなくてもいい思う時もあります
今は父を憎んではいません
でも、父を許してはいないのです

こんな冷たい関係を淋しくは思いながらも、これがわたしと父が作って来た関係の本当の姿だと思っています


わたしなりの考えです

人を憎んだり、誰かのせいで自分を殺してしまったりしているのなら

その人から距離をとります
憎み合う関係になるくらいなら、その関係を少しでもなくしてしまいます

それがどうしてもできないのなら今は耐えますが、絶対に離れようという思いは持ち続けます
それが希望であり、自尊心だと思います

嫌いな人に対してはエネルギーは使わないで
大切なあなた自身を愛してほしい、大切なあなたの人生をよくすることを楽しみながら努力してほしい

あなたの人生に幸がありますように!
心から応援しています








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