019 年金基金GPIFの運用(2023年度)
1 GPIFの運用結果(2024年3月末)
7月5日に以下のようなニュースが報道されました。
年金の積立金を運用するGPIFの2023年度の運用益が45兆円をなったというものです。運用結果について考察していきます。
2 運用結果の詳細
運用資産額:245兆9,815億円 (2023年度末)
収益率(2023年度中):22.67%
収益率(運用開始以降):4.36%
収益額(2023年度中):45兆4,153億円
管理運用委託手数料額(2023年度中):470億円
2 GPIFの運用目標
GPIFには厚生労働大臣から運用目標が定められています。
長期的な運用目標=賃金上昇率 + 1.7%
です。実際賃金上昇率がどのようになっているかみてみます。
2023年度は名目賃金上昇率は1.84%と厚生労働省のデータより算出されているため、想定を超える結果となっています。
3 各ポートフォリオ
各ポートフォリオについて考察していきます。
利益率 収益額 資産額
国内債券: -2.00% -1兆1,421億円 68兆1,714億円
外国債券:+15.83% +7兆8,694億円 60兆3,721億円
国内株式:+41.41% +19兆3,928億円 61兆5,532億円
外国株式:+40.06% +19兆2,952億円 62兆8,989億円
国内・外国株式の上昇が強くまた円安効果のため外国債券も上昇しております。
4 ファンド運用のシミュレーション
実際のファンドで運用したシミュレーションをしてみます。
ファンドはeMAXIS sLim 全世界株式(除く日本)、国内株式(TOPIX)、先進国債券、国内債券の4ファンドです。結果は以下のようになりました。
4月3日 3月29日 収益率
国内債券: 10,000 ⇒ 9,811 -1.89%
外国債券: 10,000 ⇒ 11,518 +15.28%
国内株式: 10,000 ⇒ 14,016 +40.16%
外国株式: 10,000 ⇒ 14,007 +40.07%
途中の増減はあるが概ねGPIFと同様の運用結果が得られていると考えられます。
5 まとめ
GPIFの2023年度の運用は目標からみても大きく利益を得られていると考えられます。GPIFの運用はそのまま年金の財源の見通しと関係するためこれからも注視していきたいと思います。
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