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撮影監督、撮影技師、ムービーカメラマン、に成りたい方へ、アドバイスです。 映画,CM,MV,業界向け

その1 映画,CMの撮影業界の入り口

この記事は、撮影業界の状況を知りたい方向けの情報です。

既に目指す道が見えていて、独自に狙いを定めている方、特定の人や会社に狙いを定めている方は、迷わず邁進して下さい。  

最初に入る会社、技術会社、機材レンタル会社などの選択を適確に絞る事で、希望のジャンルで活躍出来る可能性が格段に違いますので、興味の有る方は参考にしていただけると幸いです。

最善の選択肢とは

凄い作品を撮っている方々に近づく事、そのスタッフの一員に成る事。
これが最良の道です。
一流のスタッフの集まる現場で、各パートの仕事を間近で見る事、
これに尽きます。

気に入った作品やCMのスタッフクレジットを探して、目指すのも方法です。
作品の公開情報から、気になる撮影者、カメラマン名、撮影技術会社などを調べ、リクルート情報が有れば、そこを目指して下さい。
映画、ドラマのクレジットはメインスタッフ個人名で「撮影」となり、技術会社、機材レンタル会社は分かり易い注釈が無い場合が多く、制作協力の中に列挙される事が多いので、次回の記事でリストを載せようと思います。

ハイエンドの機材を使う映像コンテンツの中から、ジャンルを明確にする。

「映画」「メジャーなプラットフォームの配信ドラマ」「TVCM」「MV」
これらは全て、シネマレンズを使用するジャンルの仕事です。
撮影部のチームで動き、撮影助手はチーフ、セカンド、サード等(カメラアシスタント、CAとは違います)で構成されています。
スーパー35mmのセンサーサイズ、またはそれ以上のラージセンサーサイズの
カメラボディで、RAWデータ収録が可能な機材を常に使い、単焦点のシネマレンズをメインに、カメラポジション毎にレンズを交換しながら、フィルター等もその都度付け替え、1カットづつ撮影するスタイルのジャンルになります。

最初に入る所を間違えない。

「映画、ドラマ」に行きたい人は最初から「映画、ドラマ」の現場を目指して下さい。
映画とドラマは他のジャンルと仕事の作法と身に付く仕事の内容が違います。
映画、CM、MV、すべて撮るカメラマンももちろん居ますが、CM,MVしか経験が無く、映画に途中から入れる人はまれです。
逆に、映画のカメラマンと撮影助手のチームが、CMやMVに参加する場合は有ります。

ステップアップとチャンス

1、シネマレンズ、デジタルシネマ機材を覚える

真っ当に確実にキャリアを積む道は、以下の方法をお勧めします。
自分でミラーレス1眼を所持し、自主制作などで評価を得て、そこから自力でキャリアアップする人もいるかと思いますが、レアケースです。
以下は通常コースと思って下さい。

撮影機材のグレードで道が分かれます。               ハイエンドな機材を持っている会社の種類。


必ず、シネマレンズとシネマカメラをメインで使用している会社を目指して下さい。TVロケで使うハンディカムコーダーメインの所では仕事の種類が違います。
入門するには2種類の会社が有ります。技術会社と、撮影機材レンタル会社です。
技術会社に入る場合は、撮影機材を所有し、所属のカメラマン,DIT,撮影助手などをが撮影現場で仕事をする会社が良いでしょう。
撮影機材レンタル会社の場合は、映画、CM、Netflix等の受注が可能なグレードの機材を多数持っている所が必須です。
会社によって、助手を養成している会社と、機材管理、メンテだけの会社に分かれます。
例外として、大きな総合制作会社で大規模な機材と撮影部を持っている所が有ります。

1、機材を覚える

技術会社、撮影機材レンタル会社に入ったら、機材管理、メンテの仕事から入り、機材を覚えていきます。
作品ごとに撮影前日、撮影助手セカンドが機材チェックをします。
機材チェックの手伝いから、多様な機材の組み合わせかたを覚えます。
機材チェックでは、翌日から現場に持って行く全ての機材を組み上げ、全ての動作チェックをしますので、撮影現場ごとに狙いによって使用する機材の組み合わせが毎回違います。
ハイエンドな仕事が多ければ、多いほど、バリエーションに富んだ高グレードの機材が使われます。
シネマカメラボディ本体のセットアップ、収録メディア、コーデック設定、LUT設定、多様なシネマレンズ、多様なフィルター類、レンズアクセサリー類、フォーカスアシスト機材、各種ケーブル類、電源機材、収録メディア、無線モニタリング機材、三脚、レール移動車、クレーン等に載せる方法、ジンバルのセットアップ、など色々な応用法などを覚えます。

2、撮影助手として現場に出る。

最初は "見習い" として撮影現場の手伝いをします。主に機材を運び、撮影部としての現場での作法を覚えます。
雨や、海辺、砂地の対策、暑さ対策、寒冷対策など色々な応用法などを覚えます。
有る程度出来る様になったら、撮影助手フォース、サード、セカンド、と昇格していきます。

3、セカンドに昇格


セカンドはカメラボディ、レンズ、フィルター、アクササリー類、三脚、ジンバル、等の全ての機材の ”機材チェック” を撮影前日までにします。
全ての機材が間違いなく作動する事を確認、ケースに入れ、車両に積みます。
現場で組み上げ、カットごとにカメラポジションを移動し、必要に応じてレンズやフィルター、ISO感度、Fps、バッテリーを交換します。
セカンドで最も重要な役割が ”フォーカスマン” としての役割です。
シネマレンズはフォローフォーカス機材を介してフォーカスリングをコントロールします。多くの場合、ワイヤレスコントロールで手元のモニターを見ながら行いますが、本来は(リハーサル)で時に俳優の動きをメジャーで測り、カメラ脇から
肉眼で動きを見つつ、フォーカスを送るのが主流でした。
フォーカスはピントを合わせるのは当たり前です。
特に真価が問われるのは、2人以上の会話などの時に的確なタイミングと速さでフォーカスを”送る”事と、
走ったり、歩いたり、距離が変わる被写体、超望遠で距離が変わる車、バイク、自転車などが有ります。
演技とアクションと台詞とカメラワークの丁度良いタイミングでフォーカスを”送る”事が重要ですので、台詞と演技を良く理解していないと出来ません。
これが出来る頃には、実力の有るカメラマンに指名される様になりますから、
自分のスケジュールが指名で埋まる様であれば独立を考えても大丈夫です。
セカンドでフリーランスになるケースも多いと思います。

3、チーフアシスタントに成る。


チーフは作品ごとのルック(画調)を管理する役割です。
コーデック、LUT設定、場面ごとに違う照明や天候の環境に合わせ、ISO感度、被写界深度、シャッタースピード、レンズのチョイス、フィルターのチョイス、を管理し、狙いのルックで統一した撮影をするためにデータを管理するポジションです。
露出計で測光し、「つながり」を管理、DITや照明技師と情報共有しつつ、撮影現場の”裏まわし”役です。
色々なカメラマンや監督に出会い、認められる様になると、複数台のカメラで撮影する現場で2台目のカメラマンとして撮影する機会などが増えます。


次回は、技術会社や機材レンタル会社を実名でご紹介します。









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