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パイロットってどんな仕事?(その④)

その④  使用事業、エアショー・エアレースパイロット

使用事業

使用事業会社では、航空業界における多様なニーズに対応するために、固定翼機から回転翼機まで様々な航空機を使用しています。

空撮、遊覧飛行や旅客輸送(ビジネスジェット)、飛行訓練、そしてかつては一般的だった農薬散布など、幅広い業務を手掛けています。

このように、使用事業会社は航空業界の「何でも屋」としての役割を果たしており、一つの特定の仕事だけでなく、多様な業務をこなしています。

私が初めて入社した航空会社の同期が、以前、使用事業会社で働いた経験があり、その時に多くの異なる経験を積んだと話してくれたことが印象的でした。

特に記憶に残っているエピソードとしては、東京湾上空で夜間の遊覧飛行中にプロポーズをするカップルを乗せたという話や、1月1日に固定資産税評価のための写真を空撮する仕事の話がありました。

このような経験を聞き、「パイロットといっても本当にさまざまな仕事があるんだな」と感じました。

これらのことから推察するに、勤務形態については定期的なものばかりではなく、予定にない飛び込みの仕事も発生することから、よく言えば、柔軟性が求められる勤務環境であるとも言えるでしょう。


エアショー・エアレースパイロット

エアショーやエアレースパイロットという分野は、特殊でありながら日本人パイロットも活躍している分野です。

現役で活躍している室屋義秀さんや、日本で曲技飛行の第一人者とされる故ロック岩崎さんなどがその例です。

エアショー及びエアレースパイロットも、アクロバット機を使い高度な飛行技術で観衆を魅了する仕事です。

この分野で活躍するには、通常のパイロットとは異なる特別な訓練と研鑽が必要であり、それは誰にでもできるものではありません。

そのため、この仕事には大きなやりがいがあると言えるでしょう。

故ロック岩崎さんは、元々航空自衛隊の戦闘機パイロットとしての経験を持ち、その後、この分野に転身されました。

一方で、室屋義秀さんは未経験からこの道を目指されました。

どちらにしても、非常に高いハードルがあることは間違いありません。

また、特別な訓練を受けるためには、大きな訓練費用も必要となります。

現在その分野に挑戦している方が、私の自衛隊時代の先輩にいらっしゃるのですが、1フライト約40分の訓練で費用は円換算で約10万円程度かかるそうです。
(円安になるともっとかかることが考えられます。)

その上、どれだけの訓練を受ければ技術を習得できるかは個人に依存しますし、一般の個人が負担するには相当な金額であることは確かです。

またエアショー・エアレースパイロットとして活躍するためには、ただ単に飛行技術を磨くだけではなく、特殊な飛行に特化した知識や技能の習得、そして身体的な準備も非常に重要になります。

それゆえ、常に高い安全意識と、技術を磨き続ける姿勢が求められます。

前述した、私の先輩に話を伺ったところでは、この道を選ぶことは簡単な決断ではなく、情熱と献身的な努力が必要とされる厳しい道のりであることを強調していました。

加えてエアショーパイロットとして活動するには、個人や会社で機体を所有する必要が出てきます。

そして、その維持管理費は非常に高額です‼️

更にチームとして運用しようとすると、もっと大きな費用がかかり、それを支えてくれるだけの市場は、日本では限られているため非常に難しい道のりです。

海外であったとしても簡単な話ではありません。

実際、ロック岩崎さんもスポンサーや資金集めに苦労されたという話を聞いたことがあります。

しかし、自由に空を飛ぶ楽しさ、飛行機を縦横無尽に操る喜びは格別であり、それに魅力を感じる方にとっては、比類ない経験になることは間違い無いでしょう。

もし「どうしても」という強い願望があるなら、挑戦を考えてみる価値はあるかもしれません。

ただし、その道を選ぶには、大きな情熱と献身的な努力、そして経済的な準備やサポートが必須であることを念頭に置いてください。

つづく

#創作大賞2024
#オールカテゴリー部門

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