主語のない歌を聴こう。人間椅子/蛞蝓体操
アルバム色即是空がリリースされたのが去年の9月ですか。Amazonで予約したから当日に届いたってのに、紹介をここまで引っ張ったわけとは!書くのがめんどくさかったんである。書く気とか応援する気がないわけじゃないの。ただマンガも描いててさ、そっちに集中してたからさ・・・。
じゃ、読者が読む気なくす前にアルバムの話しよっか。
今回のアルバム、ジャケットが非常にカッコよく、手元に来る前からワクワクが止まらなかった。だから聞き始めは面食らった。これは、音がこもってる、前作までのド派手さがない。地味だ。とにかく全曲聴いた。困惑したんだと思う。キョドった。しばらくしてはたと気づいた。これは・・・これは・・・これはロックだ!
前述したが音がこもっていて全体的に地味なアルバムで、そこに泥臭さをかんじる。歌詞は言わずもがな土着のある言葉ばで綴られ独自の粘性がある。これは日本のロックだ!
そんな、最新というには時間の経ちすぎた「色即是空」から紹介するのはよりによって「蛞蝓体操」。「宇宙電撃隊」とかじゃねえのといわれそうだが、この曲、歌詞に主語となるものがなくて、それでも伝わるというのが面白かった。多分そんな珍しいことではないんだろうけど、ぼくは初めてだった。
暗い気持ちに捕らわれもがく男をフカンで眺め嘲笑するような内容の歌詞に、「怪人二十面相」収録の「芋虫」を思い出した。あの男を外から見たらこんな感じだろうか。音は重く、テンポよく、せせらわらっている。
これだけ聞くと攻撃的なアルバムかなと思われるだろうが、それだけでなく前向きだったり楽しかったりエンタメしてたり覚悟してたりと、バラエティ豊かでいろいろつまっている。是非聴いてほしい一枚である。
さて、これは又聞きで確証を得てないのだけど、ギターボーカルの和嶋氏がインタビューで「このアルバムは人間椅子の集大成」と話していたそうだ。それがロックだとしたらアツいじゃないか!瘋痴狂!
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