4: 免疫チェックポイント阻害薬のリチャレンジは安全にできるか②
Title of the article
Simonaggio A, Michot JM, Voisin AL, Le Pavec J, Collins M, Lallart A, Cengizalp G, Vozy A, Laparra A, Varga A, Hollebecque A, Champiat S, Marabelle A, Massard C, Lambotte O. Evaluation of Readministration of Immune Checkpoint Inhibitors After Immune-Related Adverse Events in Patients With Cancer. JAMA Oncol. 2019 Sep 1;5(9):1310-1317. doi: 10.1001/jamaoncol.2019.1022. PMID: 31169866; PMCID: PMC6555478.
Evaluation of Readministration of Immune Checkpoint Inhibitors After Immune-Related Adverse Events in Patients With Cancer | Dermatology | JAMA Oncology | JAMA Network
I Summary
1. Research hypothesis
Immune checkpoint inhibitor(ICI)使用時にはimmune-related adverse events(irAEs)が起こりうるが、rechallengeが安全にできるか
2. Study design
後ろ向き多施設研究
3. Study subjects
・対象者は2015年8月1日から2017年12月31日までに、ImmunoTOX board(irAEのマネージメントの専門家)に登録されたICI使用後にgrade2以上のirAE(CTCAE ver4.03)が出現しrechallengeを行った患者180人。
4. Data collection
データは以下のものについて取得した。
(1)初回irAE
(2)リチャレンジ群
(3)リチャレンジしなかった群
アウトカム指標
primary outcome: rechallenge後のirAE再発
secondary outcome: irAE再発においての要因検索
5. Data analysis
リチャレンジとリチャレンジしなかった群はχ2 testやFisher、もしくは両側t検定やKruskal-Wallis testと用いて評価を行った。PFS(Progression-free survival)は初回投与から進行・死亡までとした。OS(overall survival)も同様に初回投与からの死亡まで、とした。PFSとOSはKaplan-Meier法を用い、Log rank試験で比較した。リチャレンジの影響を測定するために、腫瘍増大がない患者のみ解析を行った。
6.Conclusions
・ImmunoTOX bouardに紹介された159人の患者のうち123人が本研究施設で治療され、36例は他施設で治療された。
・66人は除外された。(27例は現病増悪、3例はgrade2未満、11例は高リスクのため治療前に紹介、25例はフォローアップデータなし)
・最終的に93人がgrade2以上で本研究に登録された。
・93人のリチャレンジのうち、初回irAEはgrade2 46%、grade 3 39%、grade4 15%であった。Grade4の再生不良性貧血はフォロー中に死亡した。
・49人(53%)がステロイド使用した。
・40人(43%)がリチャレンジを受け、リチャレンジを受けない群との群間差はなかった。初回投与から発症まではそれぞれ12(0.4-99) vs 9.6(0.6-76) week(p=0.06)であった。
・リチャレンジ(40人のうち)、18人(45%)がirAE再発なし、17人(42.5%)が同じirAE、5人(12.5%)が違うirAEが出現した。2度目のirAEのgradeに大きな変化はなかった。
7.Limitation
再投与の判断は医師がchoice
・早期irAE⇒まだ評価できないから続けたい⇒リチャレンジ
・早期irAE⇒こんなすぐ副作用出るなんて⇒リチャレンジしない
・後期irAE⇒腫瘍に効果あるなら⇒リチャレンジ
・後期irAE⇒腫瘍に効果なさそう⇒リチャレンジしない
またirAEの種類によっては再投与が難しい(心筋炎や神経疾患)ため、群間の有意差は出にくい。