パリのAIスタートアップNabla、シリーズBで2,400万ドルを調達し米国での事業拡大を後押し-医師向けにAIアシスタントを提供する同社は、米国での事業を倍増させたい考えだ。
パリを拠点とする新興企業Nablaは、医師向けのAIアシスタントツールを提供しており、米国での事業拡大のため、Cathay Innovation(キャセイ・イノベーション)が主導するシリーズBラウンドで2,400万ドルを調達した。これにはフランスの投資家Rodolphe Saadé(ロドルフ・サーデ)が設立したZeboz Ventures(ゼボックス・ベンチャーズ)も参加している。同社は既にKaiser Permanente( カイザー・パーマネント ) と提携し、北カリフォルニアの1万人の医師にコパイロットを導入しており、今回の資金を用いて全米展開を計画している。開業医2万人以上が既にこの技術を採用し、過去1年間には300万件以上の相談が行われたと報告されている。
パリを拠点とする新興企業Nabla(ナブラ)は、患者の診察から臨床メモを生成するAIを搭載したツールを医師に提供しているが、米国での事業拡大を継続するため、2,400万ドルのシリーズBを調達した。
このラウンドはグローバルVCのCathay Innovarion(キャセイ・イノベーション)が主導し、フランスの億万長者で積極的なハイテク投資家のRodolphe Saadé(ロドルフ・サーデ)が設立したフランスの投資家Zeboz Ventures(ゼボックス・ベンチャーズ)も参加した。
同社は2021年に、英国のVC firstminute capital(ファースト・ミニット・キャピタル)のほか、フランスの億万長者Xavier Niel(グザビル・ニール)とSweep (スウィープ)CEOのRachel Delacour(レイチェル・デラクール)から1,700万ユーロを調達したことがある。
医師のためのAIアシスタント
ナブラは、「ナブラ・コパイロット」と名付けられた医師向けのAIアシスタントを構築した。このアシスタントは、臨床診察に耳を傾け、患者の病歴や症状から医師の診断や処方まで、対話の重要な要素を要約したメモを作成する。同社によると、この技術は非常に正確で、調整が必要なメモはわずか5%だという。
このツールのおかげで、開業医は臨床記録のために予約時のメモを書く時間を大幅に節約することができる。
元Facebook AI Research(フェイスブック・AI・リサーチ)のエンジニア、Alexandre Lebrun(アレクサンドル・ルブラン)が開発したこのテクノロジーは、大規模言語モデル(LLM)と呼ばれるAIモデルに基づいている。このモデルは、診察中に聞き取った内容から人間のようなテキストを生成し、それを別の音声テキスト化技術を使って拾い上げる。
「臨床ドキュメンテーションはナブラの始まりに過ぎません。」とラブランは言う。「医療システムは、AIを活用して医療チームを様々な側面からサポートしようとしています。私たちはそのあらゆるステップに立ち会えるよう準備を整えています。」
米国への進出
ナブラにとって米国はすでに主要な市場であり、最近、米国の医療プロバイダーであるKaiser Permanente( カイザー・パーマネント ) とパートナーシップを結び、北カリフォルニア全域の1万人の医師にコパイロットを展開した。
同社は今回の資金注入で、この技術を全米に拡大する計画だ。
ナブラによると、2023年3月のサービス開始以来、約2万人の開業医がこの技術を採用している。同社によると、過去1年間にこのテクノロジーを使って3種類の言語で300万件の相談が行われたという。