EUのハイテク投資、2年間の干ばつを経て開花
欧州のハイテク投資が2年の停滞を経て回復しつつあり、特にアーリーステージ企業への取引が活発化している。Klarna(クラナル)やSpotify(スポティファイ)に投資しているCreandum(クレアンダム)が5億4400万ドルのファンドを発表するなど、複数のVCが資金調達を成功させた。興味深いのは、AIがVCの投資判断を支援していることだ。膨大なデータを分析することで、より的確な投資機会を見つける手助けをしている。欧州市場は成長期に戻りつつあるとの見方もあるようだ。
欧州におけるハイテク投資が、長い休眠期間を経て開花しつつあると報じられている。
この好転は、Financial Times(フィナンシャル・タイムズ紙,FT)が月曜日(6月3日)に報じたもので、ベンチャー・キャピタル(VC)グループが2年間の干ばつの後、新たな資金を調達したことで、アーリーステージの企業での取引が活発化していると指摘している。
例えば、Klarna(クラナル)やSpotify(スポティファイ)に投資している個人技術投資家のCreandum(クレアンダム)は、Accel Europe(アクセル・ヨーロッパ)(6億5000万ドル)やPlural(プルーラル)(5億4400万ドル、5億ユーロ)の同規模の取引に続き、5億4400万ドルのファンドを発表したばかりだという。
クレアンダムのファンドは「記録的なスピードで」組成されたとゼネラルパートナーのCarl Fritjofsson(カール・フリットヨフソン)はFTに語った。
「業界全体のセンチメント、意欲、活動に劇的な変化が起きています」と彼は語った。
昨年、ヨーロッパではハイテク部門への投資が激減した。イギリスのベンチャーキャピタルAtomico(アトミコ)は、昨年末に発表した「State of European Tech(欧州テック市場の現状)」の中で、ヨーロッパのスタートアップ企業が調達する資金は、2022年の820億ドルに対し、今年は450億ドル程度になるだろうと予測していた。
しかし、その後状況は好転したと、アトミコのインサイトチームを率いるTom Weheimer(トム・ウェハイマー)はFTのインタビューで語った。
「ピーク時からのしこりを完全に洗い流したわけではありませんが、私たちの周りには緑の芽が出ています。」と彼は語った。「我々は回復期を超え、再び成長期に戻りつつあります。」
昨年の落ち込みを受け、欧州のスタートアップ企業への民間ハイテク投資は、今年再び増加に転じると同氏は予測した。
「2021年以前に見たことがないほど、市場はどの時点でも活発です。」と同氏は述べ、「シリーズB」案件への投資が3四半期連続で増加していることを指摘した。
一方PYMNTS(ピーマンツ)は最近、賢明な投資判断を下すためのツールとして、VC界が人工知能(AI)を活用していることを記事にした。このテクノロジーは、スタートアップ企業や市場動向に関する膨大なデータを素早く分析し、VCが最も有望な機会を見つけ、資金をどこに移すかについて、より良い情報に基づいた決断を下すのに役立つ。
「ベンチャー・キャピタルにおけるAIの有用性は、人間の能力を機械知能で補強することで、ノイズをふるい分け、本物の機会を正確に特定することにあります。」と、グロース・エクイティ会社Alpha Partners(アルファ・パートナーズ)の創業者兼マネージング・パートナーの Steve Brotman(スティーブ・ブロートマン)はPYMNTSに語った。
「AIを使えば、市場動向、スタートアップ企業の業績指標、その他の重要なデータポイントを、人間のアナリストチームだけでは到底達成できない規模とスピードで分析することができます。」と彼は付け加えた。「これは効率を改善し、以前は想像もできなかったような潜在的な投資先に対する深い洞察を提供することで、情報に基づいた戦略的な意思決定を行う能力を根本的に向上させます。」
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