見出し画像

ベンチャー企業の負債が記録的な1年に 最悪期は過ぎ去ろうとしている

2024年上半期、欧州のスタートアップは株式、負債、助成金で計473億ユーロを調達した。そのうち187億ユーロが負債で、年間を通じて過去最高の負債資金調達額を上回る可能性がある。特に気候変動技術やフィンテックが資金調達を牽引し、NorthvoltやSumUpなどが大規模なラウンドを実施した。また、1億ドル以上のメガラウンドが63件発生し、新たに10億ドル規模の企業が8社誕生。VCも活発で、150億ユーロ以上を新たに調達している。


最悪の時代は過ぎ去ろうとしている。Sifte(シフテッド)のデータチームが追跡した、今年1月から6月までの2,971件のラウンドで、ヨーロッパのスタートアップ企業は株式、負債、助成金で473億ユーロを調達した。希薄化資金調達は2023年下半期と比較すると若干減少しているが、前年同期よりは増加している。

資金調達のうち187億ユーロは負債であった。現在のペースでは、この数字は欧州における2022年の負債資金調達の記録281億ユーロを上回るだろう。

気候変動テクノロジーは大きな役割を担っており、1月にはNorthvolt(ノースボルト)とグリーン・スチール・メーカーのH2 Green Steel(イエチツー・グリーン・スティール)がそれぞれ50億ドルと42億ユーロという巨額の負債ラウンドを調達している。

しかし、フィンテックは、資金調達ラウンド全体に占める負債ラウンドの割合が最も高い。最大の負債ラウンドは、POS大手のSumUp(サムアップ、15億ユーロ、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)が主導)が調達したもので、決済プラットフォームのTabeo(タベオ)が7億5000万ポンドで続いた。

最も積極的な貸し手には、欧州最大のLPである欧州投資銀行とBpifranceの2行に加え、BNPパリバやドイツ銀行を含むこの地域の多くの大手銀行が含まれる。HSBCイノベーション・バンキング(旧SVB UK)が首位を獲得した。

負債はさておき、1億ドル以上のエクイティ・メガラウンドも63件あり、これは2022年上半期以来の高水準であった。

欧州では上半期に新たに10億ドル規模の企業が8社設立された。その中には、AI音声ジェネレーターのElevenLabs(イレブンラボ)や自律走行車のWayve(ウェイヴ)といったAIの新興企業や、DataSnipper(データスニッパー)、Pennylane(ペニーレーン)、Pigment(ピグメント)といったCFO技術研究に取り組む3社が含まれている。

一方、アーリーステージの資金調達額は、1月の13億ユーロから6月には18億ユーロと、1年を通して増加傾向にある。

また、VCも、いつもそうだとは感じられないかもしれないが、資金を調達している。今年、欧州のVCは150億ユーロを超える新たな資本を調達しており、これは2022年上半期以来の多さである。

↓Source link
https://sifted.eu/articles/venture-vc-debt-funding


いいなと思ったら応援しよう!