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AWS、2025年までにドイツで欧州の「ソブリン・クラウド」を立ち上げることを確認、15年間で78億ユーロの投資を計画

情報セキュリティ面での安全性確保に加え、データが国内に保存・処理されることで、他の国や地域の法令等の影響を受けないクラウドサービスを「ソブリン・クラウド」という。
アマゾンのクラウド・コンピューティング事業であるAWSは、ドイツのブランデンブルク州に最初のソブリン・クラウド地域を設置し、2025年末までに稼働する予定で、2040年までに78億ユーロを投資する。AWS Summit Berlinで発表された。これにより、欧州域内のデータ保持が保証され、他のAWS地域から物理的・論理的に分離される。AWSは、数十億ドル規模の投資の一部として新たな雇用を創出し、地元企業の雇用をサポートすることを目指している。


Amazon(アマゾン)のクラウド・コンピューティング事業であるAmazon Web Services(アマゾン・ウェブ・サービス, AWS)は、ヨーロッパの「ソブリン・クラウド」のさらなる詳細を確認した。

同社によると、最初のAWSソブリン・クラウド地域はドイツのブランデンブルク州に設置され、2025年末までに稼働する予定だという。AWSはさらに、2040年までこの施設に78億ユーロ(85億ドル)を投資する予定だと付け加えた。

この発表は、ドイツの首都で今日と明日開催されるAWS Summit Berlin(AWSサミットベルリン)に合わせて行われたようで、AWSが主権クラウドの計画を初めて明らかにしてから約7ヶ月後に行われた。

規制への対応

AWSは長い間、欧州地域でローカライズされたデータストレージとデータ処理を提供してきたが、公共機関や特定の規制の厳しい業界で活動する組織は、データ(の誤)管理に関する懸念からパブリッククラウドへの移行が遅れていた。つまり、ハイパースケーラーがどのようなポリシーや約束を掲げていようとも、データは最終的には米国の巨大テック企業の管理下にあるのだ。

従って、AWS European Sovereign Cloud(AWS ヨーロッパ・スベリン・クラウド)には、より厳格なデータ管理が付属しており、対象となるすべての顧客は、すべてのメタデータをEU域内に保持することができる。

言い換えれば、AWSのソブリン・クラウド地域は、他のすべてのAWS地域から「物理的にも論理的にも分離」されることになる。

AWSは当初、「ソブリン・クラウド」のコンセプトから距離を置いていた。アマゾンのCSO(最高セキュリティ責任者)であるStephen Schmidt(スティーブン・シュミット)は、ソブリン・クラウドを「何よりもマーケティング用語」とまで呼んでいた。しかし、2022年後半、AWSは「デジタル・ソブリン・プレッジ」を発表し、データ管理に関するコミットメントを文書化した。

Microsoft(マイクロソフト)とGoogle(グーグル)はソブリン・クラウドへの取り組みを開始し、Oracle(オラクル)も昨年6月にEUの顧客向けにソブリン・クラウドを立ち上げた。

AWSの数十億ドル規模の投資の一部には、ソフトウェア・エンジニア、システム開発者、ソリューション・アーキテクトなど、欧州のソブリン・クラウドをサポートする新たな役割の創出が含まれる。同社はまた、建設、設備保守、電気通信などの分野にまたがるサプライチェーンを通じて、「地元ドイツの企業で年間平均2,800人分のフルタイム相当の雇用」をサポートするとアピールしている。

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