欧州の宇宙資金不足が産業の潜在力を脅かす
欧州は宇宙産業への資本配分で課題を抱えており、初期投資は増加しているものの、成長段階の資金不足が深刻だ。NewSpace Capital(ニュースペースキャピタル)のCEOBogdan Gogulan(ボグダン・ゴグラン)氏は、米国と比較して市場の断片化が成熟した企業の拡大を妨げていると指摘。欧州の宇宙企業は成長資金を海外に依存しがちで、欧州の金融機関に対して資金配分の改善を求めている。
フロリダ州タンパ — ルクセンブルクに拠点を置くプライベートエクイティ会社NewSpace Capital(ニュースペースキャピタル)の代表は、欧州は宇宙産業への資本配分方法を改善しなければ、初期段階の投資増加の恩恵を逃すことになる、と警告した。
European Space Policy Institute(欧州宇宙政策研究所, ESPI)が最近発表した調査によると、欧州は過去3年間、宇宙企業への投資案件を年間平均96件実施しており、米国の114件とそれほど差はない。
しかし、米国は成長段階の資金調達ラウンドが牽引する形で、平均63億ユーロ(68億ドル)の投資も実施している。一方、欧州は14億ユーロにとどまっている。
欧州連合の融資部門である欧州投資基金が調査したベンチャーキャピタリストの50%以上が、今後12か月間の資金調達について否定的な見通しを示している。
ヨーロッパの断片化された市場は、多数の初期助成金プログラムがある中で新興技術の開発に適しているが、ニュースペース・キャピタルのCEO、Bogdan Gogulan(ボグダン・ゴグラン)氏は、この多様性が成熟したベンチャー企業にとって大きな障害になっていると述べた。
「イノベーションには素晴らしいことです。」と同氏は述べた。「本当に悪いのは、規模拡大なんです。」
比較すると、米国ははるかに大きな市場であり、より統一された規制枠組みの恩恵を受けている。すべてが1つの言語で行われている。
ヨーロッパは初期段階のベンチャー企業への支援を強化しているが、ゴグラン氏は、これらの企業はこの地域で拡大するために必要な成長資金が不足していると述べた。
「基本的に、ヨーロッパは自らの成功の犠牲者になりつつあぴょ。」と同氏は付け加えた。
機会を逃す
ゴグラン氏によると、ヨーロッパの宇宙企業は、技術開発と商業的採用の間の財政的な「死の谷」を埋めるために海外に目を向ける以外に選択肢はほとんどない。
フィンランドの合成開口レーダー事業者Iceye(アイスアイ)やフランスの衛星画像分析プロバイダーのKayrros(カイロス)に投資しているニュースペースキャピタルでさえ、資金の大半を米国と中東の投資家から得ている。
「我々(ヨーロッパ)は、旅の最も困難な部分に多くの時間、労力、エネルギーを費やしています。」とゴグラン氏は続けた。「そして、その恩恵を享受できる状況が整うと、我々はそれを手放すことになります。」
同氏は、ヨーロッパ最大の金融資産運用会社と年金基金に対し、宇宙産業に資金を割り当てるよう要請した。
ニュースペースキャピタルはまた、成長段階の企業に特化した資金源を確立するため、欧州委員会や地域の投資銀行と協議中だ。
「子どもを育てるには村全体が必要です。」とゴグラン氏は語った。「我々のようなファンドが20必要です。」
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