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私はよくかわいいといわれる〈3〉

 エレメントガールはエレメントすなわち要素や元素を意味する言葉で、月、土、氷、火、風、樹の6要素に分かれている。その要素にそれぞれ魔女、精霊、巫女、天使の担当があり、月の魔女、火の天使という具合に担当が決められている計24人のアイドルグループだ。
 そして魔女と天使はあくまで設定上だが仲が悪く、その中間が精霊と巫女といった感じで、板挟みになっている。その善、悪、中間の混ざり具合で時にチームを組んで色々な企画で戦ったり(天使と魔女が同じチームの時は足を引っ張りあったりする)、ユニットを組んで曲を出したりと様々なパフォーマンスを見せて人気を博していた。
 卒業などである程度欠員がでると次期の募集がされ、どの担当がふさわしいかをファンがネット投票でエントリーナンバー(デビューが決まるまで名前は公表されない)を投票するシステムだ。そこで一番得票した候補がその担当でデビューすることになる。
 美樹はそのクールな容姿からすでに中間発表で氷の魔女に圧倒的な票が入っており、ほぼデビューが確実になっていた。
 そして、昼休みの美樹は孤立した。
 美樹が最終選考に残ったあたりから、取り巻きたちは明らかに委縮しはじめ、1人また1人と美樹から離れていき、中間発表でほぼ合格が決定になった時点で1人もいなくなっていた。
 進学校だからなのかはわからないが、学校で美樹を知らない人はいないにもかかわらず、強引な握手や変に近づこうとすることはダサいという風潮があり、それなりの民度が保たれていた。
 取り巻きたちも相手があのエレメントガールになろうかという美樹はハードルが高すぎると判断したのか、その「あえてそっとしておく」という風潮に都合よく乗っかることで、美樹の孤立は成立していた。
 しかし自分の机で1人ポツンと弁当を食べる美樹は、いじめられているようにも見えたが、私などどうすることもできないのでその姿は昼休みの定番となっていた。まあ本人は何も気にしていないと思うが…

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