私が童話を書く理由
【創作童話】を書いています。えぐちさとこです。
私の夢は、安房直子さんのような童話作家になることです。
安房直子さんといえば、
『きつねの窓』の作者で有名な方です。
私は国語の授業で、安房直子さんの
『鳥』という作品を学習しました。
そのあと、『コンタロウのひみつのでんわ』という本を読んで、安房直子さんが大好きになりました。
私はおそらく発達障害で、
(おそらくというのは、診断されたわけでは無いからです。でも、自分が人と違うというのは、なんとなく分かっていました。)
子どものころから、話す言葉が頭に全く浮かびませんでした。
しばらく考えたあと、ああ言えばよかった、こう言えばよかったと、言葉が頭に浮かぶことはあるのですが、話しかけられて、すぐに反応することができません。
30年前は、発達障害がまだよく分かっていないころなので、支援もありませんでした。
こんな状態だったので、私は小学生のときにいじめられていました。
中学生になっても、
「しゃべらないからムカつく」
とよく言われました。
中3で進路を決めるときにも、
「友達が作れないから、高校には行かない」
と言って、親を困らせました。
そんなとき、安房直子さんの童話は、
私の気持ちを明るくしてくれました。
安房直子さんの童話は、すごく心に響いて、まるで別世界に連れて行ってもらったような感覚になりました。
落ち込んでるときや、心が沈んでいるときに、ただ単に楽しいだけの話は、心に響かないと思いました。
無理に明るくしようとしても、できないのと同じで、なんだか読む気になれません。読んでも明るくはなれませんでした。
でも、童話は違いました。
落ち込んだまま読んでも、こんなに響いてくるものがあるのかと驚きました。
いつのまにか、
「私もこんなふうに、童話を書けるようになりたい!」
と思うようになりました。
あのとき、安房直子さんの童話に出会えて、本当に良かったと思います。
今は仕事をして、少しずつ言葉が出るようになりました。
童話は、過去の自分に向けて書いています。
作品を読み返すときには、
「これで昔の自分が楽しめるだろうか?心に響くだろうか?」
といつも考えています。
そして、以前の私のように、落ち込んでる人や、悲しんでいる人の心にも響くような、心が沈んだままでも読めるような、そんな作品を書いてみたい。
いつの日か、国語の教科書に載るような名作を書いてみたい!
これが、私のかなえたい夢です。
もちろん、良い作品をすぐに書けるわけではなく、ダメ出しされたことがあります。
ノートにクリスマスの作品を書いて、
姉に読んでもらいました。
今の『フェルトねこのクリスマス』を書く
きっかけになった、銀色の小さい鈴が
登場する長い話でした。
(👆この話よりも、もっと長くて、漢字も多かったです)
姉は保育士なので、子ども向けの本とは
どういうものかを説明されて、すごく
ダメ出しされました。
「鈴が主人公だから、内容は子ども向けなのに、話が長すぎ!」
「子どもはこんな長い話読まない」
「漢字使いすぎ!」
「対象年齢考えてない」
「話の展開が多い」
「あんた、子ども向けの本読んでる?」
「本当に子ども向けの本が書きたいなら、
もっと勉強したほうがいいよ」
こんな感じでした。
言われた直後は、さすがにもうやめようかと思いました。
それでも、書くのをやめなかったのは、
「安房直子さんのようになりたい」
と強く思っていたことや、
「昔の私のように、落ち込んでいる人の力になりたい」
と思っているからです。
それから、何年もかかって‥‥‥‥‥、
2006年に『なんでも屋のみけねこ』を
出版することができました。
本を出版すると分かって、姉も喜んでくれました。
子どもたちが通う園の保育士さんや、国語の先生からも良い作品だとほめていただきました。
おかげさまで、noteで作品を購入してくださる方も増えてきました。
安房直子さんのように、国語の教科書に掲載されるレベルまでいくのは、まだまだですが、これからも書き続けていきたいです。