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#作家は経験したことしか書けない

SNSのタイムラインに「#作家は経験したことしか書けない」のハッシュタグが流れてきました。ざっと見た感じだと、「そんなことないよ」とコメントした作家が多かったようです。
ファンタジー作家の方が「いやあ、ドラゴンに出会った時は大変でした」とユーモアを混じえてポストしていました。

僕も「そんなことないよ」と言いたいですね。今まで書いた作品には、現実の自分とは性別も年齢も違うキャラクターが登場しますし、死神に会ったことはないし、タイムスリップしたこともないです。

ただ、未経験のことばかりを小説に書いているかというと、そんなこともない気がします。
例えば「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」の登場人物は大怪我をして後遺症に苦しんでいますが、僕も同じような怪我をしました(原因は異なりますが)。
自分が経験し、見聞したことが書くきっかけになっている作品もありますし、他の作品でも、ほんの少しだけ現実世界で経験したことを混ぜるようにしています。
タイムスリップ・ロックンロール」では野外ライブのシーンがありますが、これは実際に自分が行ったライブの経験が元になっています。

自分が経験したことはないことも書けますが、現実世界での経験を混ぜることによって、作品にリアリティが生まれると思っています。
本当にリアリティが生じるかはわかりませんが、書いていてそう思えることが大事な気がします。
なんでしょうかね、例えれば、一流シェフが自家製スパイスを料理にちょっとふりかけるようなものですかね。料理の味には多分ほとんど影響しないけど、そのスパイスを少し入れるだけで、お客様に自信をもって料理を出せるような。


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