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自己紹介(ネコとワタシ)

ある冬の夜、冷たい風の中、帰り道を急いでいると、ふと足元に小さな猫が現れました。

彼は私を見上げ、まるで「やっと見つけたよ」とでも言うように、澄んだ瞳でじっと見つめながら小さく鳴いていました。

その鳴き声に心が引かれ、私は彼をそっと抱き上げました。

冷たい夜の中で、その小さな体は驚くほど温かく、抱えた瞬間、私の心にも不思議なぬくもりが広がったのです。

その夜から、私はこの猫を「タオ」と名付け、共に暮らし始めました。タオと過ごす毎日は、私に安らぎをもたらし、私の心を次第に穏やかにしてくれました。

やがて私は仏教の道を志すようになり、タオはそんな私を見守り続けてくれました。

月日は流れ、タオとの時を重ねる中で、彼が私にとってただの猫以上の存在であることを感じていました。

しかし、21年後、タオは静かにその生涯を閉じました。彼のいない生活は、心に大きな穴を残しましたが、それでもどこかでタオの温もりがそばにある気がしました。

タオは私を導くためにやってきてくれたのだと、今では心からそう信じています。

この話をアルくんとルリ子に伝えると、2匹はまるでタオの存在を感じるかのように、じっと私の話に耳を傾けていました。

左がアルくん、右がルリ子(2024年)

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