小此木さくらがいない二年四組2。風魔さんとネームレス
「これは負けちゃったかなぁ」
絵具でふさがれたモニターを――理由はわからないが外を見るために必要な目の部分とだけ繋がっている――を塞がれたドラゴンスレイヤーの中で一人の女性が呟いた。
金髪碧眼、身長は高からず低からずといったところで、嘆息する声には落ち着きと余裕が感じられる。
シールベラ教会支部長にして、レイ・カリーニンの姪であるアラーナ・リル・ベシリーナである。
彼女は聖騎士つまりはドラゴンスレイヤーの出撃許可を受けてから、その中の一機にこっそり乗り込んでいた。
正確に言うならばレイ・カリーニンにばれないように支部長として指揮所から出て指示を出し、隙を見て聖騎士隊の中に混ざっていたのだ。
当然のことながら彼女は東方教会の究極のエリート部隊である聖騎士隊の正式なメンバーだ。
聖遺物である竜狩猟機ドラゴンスレイヤーに搭乗できる資格があるものは東方西方両協会を合わせても二十四人しかいない。
その中に教会の支部長や本部長の資格を持つ者が多いのは慣例的必然であり、彼女はシールベラの支部長である。
聖遺物は教会存続の証であり、誇りだ。
教義に通じ、信仰が深く、しかも戦闘技能に優れた者以外にこの聖人の残した宝を扱う資格はなく、それの要件を満たすのは教会支部長クラスしかいない。
アラーナはそんな選ばれたものの一人なのだ。
もっとも今どきの教会人の中に竜退治伝説を信じ、ドラゴン族の存在を恐れるような迷信深い人は少ないうえに、いにしえの竜狩猟機であり、聖ロボットでもあるドラゴンスレイヤーが吊るされてあるロンギヌスの槍の存在を積極的に明かそうとする者もいないので、聖騎士への志願者は少ない。
「教会の地下にロボットがあります。とっても古くて竜退治をしたのはこのロボットで間違いないでしょう」とかどや顔で言い出したら、全世界にいる聖銃侍教団はカルト教団いやトンデモ教団として信者から石を投げられ――いや指をさされて大爆笑されることだろう。
そしてそれが実在すると実証されれば、科学と進歩の名のもとに没収されることは間違いない。
竜を狩猟できる機械兵が眠る地は世界のどこにもの国にも属さない聖地だ。
教皇が「その所有権は神にあり」と宣言すればそこは係争の地となるだろう。
世界宗教化している教会がドラゴンスレイヤーの存在を公開することはひとときの爆笑と引き換えに自らの手で世界戦争の引き金を引くに等しい行為になる可能性がある。
この聖ボット・竜狩猟機・ドラゴンスレイヤーは脆そうではあるが今の科学では再現できない機構的な強靭さがあり、動かしているアラーナ達聖騎士にとっても未知のことが多い。
ドラゴンスレイヤーの性能はもとより、その操作感覚をマニュアル化することすらできていない。
はっきりと言ってしまえば、何となく乗れるのだ。
聖騎士の間では操縦桿派とモーフィングキャプチャー派に分かれている。
操縦桿を握って、足回りの動きをペダルで操作する搭乗槽があるという派閥と中に入ると機人一体となり何となく動かせる派と言えばわかりやすいだろうか?
ちなみにアラーナはそれぞれの派閥のリーダーの機体にこっそり乗り込んでみたことがあるのだが、どちらもアラーナがいつも搭乗している搭乗槽つまりはタダイ・ダナのコックピットと変わらなかった。
たぶん未知の力で搭乗者が使いやすいように知覚されるのだろう。
もっともこの派閥もここ数日のうちに生まれたもので、まだまだいろんな発見があるかもしれない。
何しろ、ドラゴンスレイヤーが解放されたのはおおよそ千年ぶりで、それまで起動させようとしたものすらいないのだ。
「だから許可が出たわけだけれど」
ドラゴンスレイヤーが起動したとき、それを許可した教皇が一番驚いていた気がする。
アラーナは九歳のときにドラゴンスレイヤーをみて、カッコいいと思い、猛勉強して教会教義を学び、牧師資格を取り、戦闘訓練を積み、20代前半でようやく聖騎士になっている。
九歳の時のあの感動が、あのロボットに乗りたいという欲望が、彼女に人が目を見張るほどの努力をさせ、彼女を世界最年少の教会支部長へと押し上げたのだ。
そうあのカッコいいロボットに乗りたいという一心だけが動機だった。
もちろんそれが動かない可能性など微塵も考えてはいなかった。
そして今はメガネをゴーグルに変え、教会の支部長服を動きやすい教会戦闘服――ではなく、お気に入りのカーボナイズスーツに着替えて、憧れのロボットを操縦している。
ブルーのストライプの入ったライダーズスーツのような見た目の断熱性吸汗性防刃性防弾性に優れた動きやすい支部長専用戦闘服はMMOバトルの賞金にものを言わせて改造した特注品である。
髪も戦闘の邪魔にならないようにこれまた特注品の超強力なヘッドバンドの中に押し込んでいる。
ヘッドバンドの額あてのような部分に指向性の静電気発生装置が仕込んであり、ヘッドバンドに押し込んだ髪はヘッドバンドから後ろへと強制的に流れるような形で固定され、決して視界を塞ぐことはないし、動きの邪魔になることもない。
いざとなれば額当てから兜のように頭を覆うカーボンシェードを引き出して頭の形に髪をおさめてニンジャマスクのように使うこともできる。
あこがれのネットゲームロボテクバトラーのトッププレイヤー・ニンジャフーマのロボデザインを見てカッコいいと思ったので採用したデザインである。
ちなみにヘッドバンドの色はニンジャフーマのロボとは正反対のホワイトである。
黒より白の方が聖騎士らしいし、黒い悪魔と呼ばれた伝説を打倒するにはふさわしい姿だと思ったからだ。
ロープに躓いたアラーナは体を逸らせて、タダイ・ダナが前に倒れこむのを防ぎ、体を逸らせた勢いを利用して後ろへと転がる。
ドラゴンスレイヤーの頭が張り出していることを考えると首がへし折れそうな動きだが、前に倒そうとしている罠に従うのはそれ以上に危険だと判断したのだ。
こういう場合、ソードの敷き詰められた落とし穴や地雷あるいは動きを拘束する仕掛けなどがあることは間違いない。
地雷の場合、前にひざをつくだけでもアウトだ。
「でもドラゴンスレイヤーは装甲強度は竜の牙をも弾くほどだから大丈夫だったかも?」
ごいごいんと耳障りな音を立てて後ろへと転がっていくドラゴンスレイヤーに身を任せ、その揺れに脳を揺さぶられて顔をしかめながらアラーナは後悔したが、こういうゲームプレイで身についた反応こそが彼女の強みであり、それを消してしまっては元も子もなくなってしまう。
ドラゴンスレイヤーは白兵部隊が張り付いて、セットしたスティック・グレネードで足が吹っ飛ぶロボットとは年季が、いやその成り立ちが違うのだ。
もっともそのためその扱い方や性質がマニュアル化しておらず、誰もがドラゴンスレイヤーを乗りこなすのには苦労している。
実際、戦闘訓練を積んだ聖騎士操るドラゴンスレイヤーがニートな竜人に手こずったのはドラゴンスレイヤーが初動であり、聖騎士たちがそれになれていなかったのが一番の原因だ。
いくつかの悲鳴が聞こえ、バラバラになっていく。
落とし穴、吊り上げ罠、吹き飛ばし系の罠などが仕掛けられていたのだろう。
だがそれは驚き以上のものではない。
「慌てるな! 敵は一人だぞ!」
重厚な響きを持つ声が場を圧する。
そしてそれはすぐに激しい打撃音によって掻き消される。
一度、二度と繰り返された音は三度目にはその音色を変える。
重い打撃音が鋭い斬撃音へと取って代わられ、その後にアラーナの搭乗槽に濁った電子音にも激しいノイズが走る。
「光が一つ消えた」
それはドラゴンスレイヤーの一体が活動を停止したことを現していた。
ただの休止状態ならば光は弱まるがモニターから消えることはない。
つまり――
「やられたということなの?」
「カリーニン牧師がやられたぞ!」
悲鳴としか聞こえない叫び声に、アラーナは戦慄した。
教会有数の戦闘能力と指揮能力を有する上級牧師レイ・カリーニンがこんなにも簡単にやられるなんて――と誰もが驚き慌てているようだった。
「これはまずいかも」
実際のところはレイ・カリーニンは隻腕の戦闘牧師ではあるし、ドラゴンスレイヤーに乗ることを前提とした訓練をやってきた聖騎士でもない。
初めて自動車に乗った人間が戸惑う様に、初めてスマホを持った人間が操作に迷う様に、ドラゴンスレイヤーの戦闘力や性質を完全に引き出せているはずはなく、ホバー移動から制止行動へ操作に手間取って反応が遅れたというのは十分にあり得る。
つまりは十分に素人なのだ。
それでもドラゴンスレイヤーごとに刻まれた機体名ではなく、個人名が叫ばれるあたりがレイ・カリーニンという上級牧師の知名度の高さと、彼への聖騎士たちの信頼感の大きさがうかがえる。
ほんの数日の間に聖騎士たちはレイ・カリーニンに深き薫陶を受けたと言えるのだろう。
アラーナより年長の聖騎士たち――それでもカリーニンよりは十以上は若い――は最初、彼に対抗心を持っていたはずなのだが、今では師父に教えを乞う子羊と化している。
それだけにレイ・カリーニンが沈んだ影響は大きい。
「聖アンドレ!」
聖騎士隊長の機体の名を叫んだドラゴンスレイヤーはその叫びをひっくり返され、地に落とされた。
そしてぶつんと何かが断ち切られるような音。
モニターに映っていた光のひとつが急激に弱まる。
「ととと、トーマスどうしよう」
隊列から遅れていた聖騎士隊長が聖アンドレの中からうろたえまくった声で訊いてくる。
「何も見えないし、しかも逃げられそうもないよ。何か作戦は?」
アラーナより二つ若い聖騎士であり、教会本部長の補佐をしている青年は何度も地面の上を転がり、地面にうつぶせに倒れているアラーナの機体を揺さぶりながら、答えを求める。
「若、あわわ、あわててはなりません。こうううういうときこそぉおお冷静に」
「聖ドグラーナ。変なとこ触り方するのやめてもらえますか。私は聖テレジアで聖アンドレではありませんから」
「これはこれは申し訳ありません。親しき兄妹。この者は今盲目であり、我が心の目がここに幸ありと示したもので失礼を」
大混乱するドラゴンスレイヤー隊の中で、罠を逃れた四機神がそれぞれの形で、最も安全な場所で最も安全な隊形を取っている。
「聖トーマス、すごい音がしてたけど動ける?」
聖テレジアが聖ドグラーナの手を振り払い、ドラゴンスレイヤーを起こす音が聞こえる。
どうやらうつぶせに倒れているアラーナとは違い、あおむけに倒れていたらしい。
一方で聖ドグラーナの方は倒れてはいない。
幸運な聖アンドレとは違い、足元の罠に引っ掛かる前にそれに気づいたか、避けるかしたらしい。
もっとも空に浮かび上がった絵具のようなものでモニターを塞がれてはいるようだ。
「どうしたものかしらね」
モニターに映る光点を頼りにドラゴンスレイヤー聖テレジアが手探りで、距離を詰めてくる。
アラーナの方も同じように動こうとすると肩が重い。
「聖アンドレ、肩押さえつけられてると動けないから」
「聖ドグラーナ、私の機体にべたべた触れないでください。モニターを見て動けば問題ないでしょ」
「なぁに、機体損傷チェックですよぉ。視界を塞がれてぇ、それにドラゴンスレイヤー自体の本質などまったくわからないんですよぉ。破損した部分を確認しあう、さああなたも私を触ってもいいですよ」
「・・・・・」
確かにそうだ。
視界が塞がれ、緊急避難的な行動をした以上、機体に損傷があってもおかしくはない。
そして今のところ、それを正確に知るすべは何もない。
残念ながらモニターに損傷個所が明示されるような機能は発見されていないし、そもそもそんな機能があるのかどうかもわからない。
「確かにそうした方がいいかもしれませんね。ただ今はそれよりもどれだけ動けるかだけにしておいた方がいいでしょう。敵がいるようですから、おそらくはあのとき盗まれたドラゴンスレイヤーの一体」
モニターにはドラゴンスレイヤーを現す光点が十一個存在している。
レイ・カリーニンの一体を入れて、十一あった光の点が減っていないと言うことはそういうことだ。
「ドラゴンスレイヤー同士の戦闘ですの?」
聖テレジアの言葉は弾んでいる。
アラーナと同じく、ドラゴンスレイヤー乗りになった女性である。
その心魂にはロボット魂が宿っているのだろう。
つまりはドラゴンスレイヤー同士で戦う好機を逃したくないという気持ちである。
「それはずるいです。聖テレジア、最初に誰がやるかはくじで決めましょう」
最初は私と言わなかったのは、相手の気持ちが痛いほどわかるからである。
もしそう言ったら次には「だったら強い方がいくと言うことでよろしくって?」と決闘になることは間違いない。
もちろん負けるとは思わないし、そのつもりもないが、今は味方同士で決闘しているような状況ではない。
やってみたい気持ちは大いにあるのだが、支部長としての仕事に従事してきたアラーナにはそれを押さえる自制心がある。
もちろん聖テレジアもそうであり、聖ドグラーナも変わり者ではあるが放埓ではない。
「くじで一騎討は冗談としてぇ。我々が視界を奪われている以上は戦闘指示は若に頼るしかありません。敵の襲来方向と迎撃のタイミングについてはお任せします。カリーニンは探究心のある男でロボット操作のシミュレーター訓練に類するものもやっていたはずです。あいつは戦いに勝つための努力を惜しまない男ですからな。ロシアでの作戦で戦闘機の操縦桿を握らせたときも私とは違い、見事な機体さばききを見せてくれましたよ」
聖ドグラーナは聖騎士隊長である聖アンドレのドラゴンスレイヤーの背中を叩くと手を打ち鳴らし、話を締めくくる。
そしてそれと同時に一つの光点が、急速にこちらに接近してくる。
その途上にあった光点のひとつがモニター上からふっと消える。
動く光点の傍にはさらにいくつもの光があったが、それらは明かりを保ったままだ。
「一騎やられた。相手は青い、いや黄色い角を持つ、ヒーローロボみたいな派手な――ドラゴンスレイヤーだ」
胸部をハンマーで破壊され、派手な音を立てて、のけ反ったドラゴンスレイヤーの頭部を左手で抜いたショートソードで斬り飛ばしたドラゴンスレイヤー・ネームレスは左右に落とし穴とモニターに映るドラゴンスレイヤーの光点の位置が一致することを確認しつつ、次の獲物へと躍りかかる。
「受けて立とう!」
眼前のドラゴンスレイヤーはいかにも騎士然とした機体で左手には凧型の大盾、右手には両手でも扱えそうなロングソードを掲げ、背中にはマントのようなものまで羽織っている。
いかにも隊長機と言ったいでたちで、立ち姿も一段も二段も際立っている。
「簡単にはいかないか」
風魔さんはハンマーを投げ捨て、背中に担いでいた盾を引き出し、体当たりを試みる。
それに対して敵ドラゴンスレイヤーは大盾の下部を地面に突き立てて、冷静に対応する。
激しい衝撃音が響き、ネームレスの突進が止められる。
もちろん敵ドラゴンスレイヤーのロングソードは速やかに動き、ネームレスの体を横薙ぎに薙ごうとする。
その速さと威力はなかなかのものだ。
だが体当たりを敢行したネームレスは左手のショートソードでそれを受ける。
質的にも重量的にもネームレスのショートソードの方が不利に思えたが、相手ドラゴンスレイヤーのロングソードは華々しさに反して、風魔さんが想像していたほどの威力格差はないようで、ぴたりと止まり、それ以上は動かない。
それどころかショートソードに、ロングソードが押し返される。
理由は簡単。
敵のドラゴンスレイヤーがロングソードとショートソードがかみ合った瞬間に大盾を押し出して、ネームレスをその盾ごと弾き飛ばそうとしたのである。
だがネームレスは盾を掲げた体当たりが受け止められた瞬間に身を翻して、ショートソードに盾を持っていた右手を添えている。
つまりネームレスは敵の意識が左手の大盾に向くのを予想して、盾を手放し、ショートソードでロングソードを左斜め下へと押し下げ、押さえつけようとしたのだ。
ネームレスの動きに対し、敵も地面に食い込んだ大盾を手放し、剣を引く。
もっともドラゴンスレイヤーの力のほとんどを左前への大盾を押し出す力として振り向けていたため、ロングソードの柄を握っていた右手と柄の部分で握手をするような形での引きとなってしまう。
何とも無様な恰好で、しかも人型であるドラゴンスレイヤーはこの態勢では万全の両手振り下ろしとなるネームレスに力負けするのは必至だ。
これなら大盾を取って、ロングソードを捨てるべきだった。
と思ったとき、機体の両腕を圧迫していた力が消え、その代わりに日が陰った。
そして――
宙を舞っていたハンマーがネームレスの手の中に現れた。
「なっ」
驚愕の声は振り降ろされたハンマーがドラゴンスレイヤーの頭部装甲を砕く音によって、掻き消される。
宙空での回転と落下によって威力を増したハンマーは騎士然としたドラゴンスレイヤーの頭部を打ち砕き、その右腕までも弾き飛ばした。
「楽しめた。感謝する」
ネームレスは倒れ伏したドラゴンスレイヤーに声をかけるとさらなる獲物を求め、首を巡らせる。
すると四体のドラゴンスレイヤーがモニターに映る。
他のドラゴンスレイヤーはピットフォールとトリップ・トラップにかっているらしく、その存在を示す光点は罠の位置に留まっている。
ドラゴンスレイヤー十二体のうち、三体はネームレスが倒し、地上にまだ四体残っていると言うことは五体が罠の中と言うことだ。
「ヒット率41・67%」
風魔さんはドラゴンスレイヤー・ネームレスの中で満足そうにうなずいて、他のものにはそうとはわからぬほど小さくガッツポーズをする。
自然環境下で罠に獲物がかかる確率は10%から30%といったところだ。
ヒット率が40%越えというのは破格と言って良い。
もちろん風魔さんなら慣れた環境下であれば、これ以上の数値を叩きだすことも可能だろうが、見知らぬ土地でぶっつけ本番と言うことを考えるとこの数値は自慢していいレベルの成果だ。
風魔さんは他人に自分の成功を誇ることに喜びを感じる性格ではないが、協力者であるえむえむに報告する義務はある。
「私はえむえむと私は波長が合うのかもな」
風魔さんは世界のロボサバイバルゲームでは世界のトップを独走し、他のMMOゲームでも知らぬ者はいない存在だ。
そんな彼女と波長を合わせられる人間はそう多くはないのだ。