【乱読備忘録】コンセプトのつくりかた 著者: 玉樹信一郎

「コンセプト」は聞いたことのある単語でしたが、どのような意味で使われているか意識したことがなかったです。

本書ではコンセプトは「何かをするとき、生み出す時に最初に考えること」と説明されています。
コンセプトの概念としては「ものづくり」という活動の内側にあるもので、「ものづくり」の構造が分かれば同時に、コンセプトの姿も明確に把握できます。
すべてのコンセプトに共通する「コンセプトのコンセプト」として最も重要な条件として、あなたが何らかの方法で「世界を良くする」という思いを持ち続けながら、コンセプトを考え抜く必要があります。

生み出したコンセプトに従って、具体的なアウトプットを生み出すために必要な作業のことを、プロジェクトと呼びます。
コンセプトとプロジェクトの間にプレゼンテーションという仲介役が必要になります。
すべての要素を一連の流れで並べると「コンセプト > プレゼン > プロジェクト > アウトプット」という順番で流れていきます。
これがものづくりの基本的な流れになります。
ものづくりで求める良さには「既知の良さ」と「未知の良さ」があります。
「既知の良さ」はユーザーも作り手も、その良さ自体や良い理由を直感的に理解できるが、実現するには無限のリソースが必要になります。
「未知の良さ」はユーザーはその良さ自体がうまく表現できず、他メーカーも追従できない。実現するには、「リソース以外の何か」が必要になります。
これからものづくりをするときに必要なのは「未知の良さ」です。
「未知の良さ」を発見しユーザーに提供することが、作る側の醍醐味です。

コンセプトは「何をしたいのか」と「何を用いるのか」の2要素から構成されています。
「何をしたいのか」はビジョンと言って、責任がなく、実現可能性にも触れられていない「純然たる欲求」であることを指しています。
「何を用いるのか」はアイテムと言って、実際に達成するために必要となるモノ・コトを指しています。
これらを解決できるコンセプトを打ち立てることが、作り手に求められていることです。

実際にどうやってコンセプトを作り上げていくかは、本書の後半部分を読んでいただきたい。
Wiiをどうやって開発したか、その一部始終をわかりやすくまとめてくださっているので、とても参考になります。

今回拝読させていただいた書籍 :


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