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荊棘の道は何処へ 感想+いろいろ

本noteには「荊棘の道は何処へ」の内容やそれ以前のイベントストーリーの内容のネタバレが含まれます。

「荊棘の道は何処へ」を読んでからずっと、瑞希と絵名のことばかり考えている。辛いのに何故か毎日5回ぐらい7話と8話を読んでいる。
なんだか感想(というまでには値しないぼやき)を残したくなったので、書いてみる。「人に読ませるための文章」ではないので、留意してほしい。

※アフライ後の感想を追記しました。


イベスト内容について


◉全体的に、不気味。これまでのイベストと比較してみて、異質。

  • なんだか別ゲーをやっている気分になった。自分は普段ソシャゲはあまりやらず、所謂「シナリオがいいエロゲ」みたいなものばかりやっている。今回のイベストはどちらかというとそういう感じのノベルゲーをやっている気分だった。

  • 読後感?が何かに似ているなぁと思い考えてみたら、ddlcだった(8話前の警告のちょっとしたメタっぽさと8話のBGMがそう思わせたのかも?)。実際、SNSでも「ddlcっぽさ」を感じてる人を観測した。


◉6話 瑞希と絵名が屋上へ向かおうとする場面

  • 雰囲気が美しすぎませんか。

  • BGMがないのも良い。

  • 胃がキリキリするような緊張感が伝わってくる。瑞希の返答が「とりあえず何かを話している感」があって、余裕ないんだなとよくわかる。

  • ここの会話が本当に好き…。


◉7話 

  • 男子生徒から発された「君も男だったりする感じ?」という台詞。ここで頭を殴られたような衝撃があった。これまで瑞希の性別は男性であるようなことは示唆されていたものの、明言はされていなかった。もちろん、自分自身も瑞希は男性であると仮定していたわけだが、いざ「瑞希は男性である」と言われると、こう、クるものがあった(しかも、それをプレイヤーの前で明かしたのは瑞希本人やネームドキャラではなく、名前のないぱっと出のモブキャラクターであることもなかなか辛い)。

  • この発言に読者である自分自身が衝撃を受けたことにも自分でびっくりしてしまった。「たとえば自分が絵名の立場であり、瑞希の立場の人間が自身の性別を告白したとしても、きっと動揺せずにこれまで通りに過ごすはずだ」と、私はこれまで自信を持って思っていた。そのはずだったのに、上記のような感じになってしまったことに驚いたし、何より辛かった。


◉8話 

  • 「優しさが辛い」ということ。これを描いてくれるって本当にすごいと思う。特に考えずにとりあえず物語を描こう、と思ったら、「受け入れられないことが辛い」で終わらせちゃうんじゃないかな。そこを、「皆のなかに優しさ・配慮が生まれちゃうこと」、「関係が変化していくこと」の怖さについてキャラクターに語らせることでキャラクターがすごく生きている感じがした。

  • 告白した瞬間、皆がこれまで通りに接してくれても、完全に今まで通りの関係性というわけではない。変化が生まれてしまう。どうしても「瑞希は男性でありつつも異性装をしている(ここに関して、瑞希の性自認等は不明であるため、現時点で確定している事実を述べることにする)」というようなラベルのが付いてしまう。

  • そういう優しさとか配慮をなく「普通」に生きるためにはどうすればよかったのか。もし瑞希が「女性として生まれ女性装が好き」であればきっとこのような悩みを持つことなく「普通に」生きられたのかもしれない。それか、この世界自体が好きな服装をしてもそれが別に変じゃない世界だったら「普通に」生きられたのかもしれない。しかし残念なことに、この世界はそういう世界じゃなかった。それじゃあこのような世界に生まれながら、この世界では「普通」と看做されない「異性装が好き」な瑞希が悪いのか。それは絶対に違うと私は思う。…だけれども、きっと瑞希は「この世界で異性装が好きな自分」を呪ってしまっているようなところがあるはずで。書き下ろし楽曲の歌詞に「生まれた罰」という単語が入っているが、それもこんなことを想像させる。

  • とにかく声優さんの演技が素晴らしすぎる。普段音声なしで読んでいる方も、出来れば音声ありかつオートで読んでいただきたいです。


◉これからどうなるんだろう?

  • この後どういう展開になるかははっきりとはわからない。

  • プロセカじゃない他の媒体であったら瑞希は自死してもおかしくないような状況に思えてしまった。

  • 瑞希はもちろんのこと、絵名もとても心配。というのも、相談できる相手がいないよね…?というところ。奏やまふゆ(そしてバチャシンの皆)に今回の話を相談してしまったら、それこそアウティングになってしまうわけで。読者視点であれば瑞希の秘密を知っている類や杏に相談すればいいのでは…?と思うものの、絵名視点に立ってみると、誰が瑞希の秘密を知っていてかつ瑞希から信頼されているかはわからないよねっていう…。でも絶対に一人で抱え切れる問題ではないはず。個人的には今回の話題に最も近づいている類が異変に気付き、自分から動くのではないかな…と思っているが、どうなるかはわからない。

  • 今回は絵名の心情についてはあまり描写されることなく(というかされてないかな?)、気になるところが多々ある。

  • そういえば絵名は定時制だけれど、そうなると4年で卒業なのかしら。もし3年で卒業するとしたら、直近に美大受験が控えてるなかでのこのイベストというわけで…。もちろん、4年で卒業するといっても今回の問題は高校生が抱えきれるものではない。でも、もしそれプラス受験生という要素もあったら…と思うと、親戚のおばちゃん感覚でキャラクターを応援している身としてはめちゃくちゃ心配。

  • ニーゴのユニストでの奏とまふゆのオマージュを絵名と瑞希でするのかな…とも思ったり。

  • そういえば、6話で絵名が「ここを絵にして、MVにして…」みたいなことを言っていた。ここが結構重要になりそう?な気がしてきた。

演出などについて

今回のイベストはストーリー自体が良かったのはもちろんのこと、演出も大変良かった。プロセカは別にテレビアニメではない。立ち絵はlive2Dなので一応完全に動きがないというわけではないのだが、そりゃあもちろんテレビアニメ等に比べたら表現の幅が狭まっている。しかし、今回のイベストではプロセカという媒体でできる表現をうまく使って、そんなことを感じさせないほどの没入感があった。ただ一つ、「演出エグすぎ!」みたいなコンテンツとしてのパッと見た面白さみたいなところだけを見て、単なる娯楽としての消費はしたくないなぁ…とも思う。それは、瑞希にとても失礼なことだと思ってしまう(創作キャラクターに対してこんなことを言うのも奇妙に思われてしまうかもしれないし、まぁ、どこまでが「消費」なのか、とか色々考えたらキリがないかもしれないのだが…)。あくまでも、瑞希の苦しみを最大限伝えるための演出として噛み締めたいと思うところである。

◉BGM

  • 8話の終盤?で流れるBGMが好き。調べたところ、既存BGMのアレンジらしい。

  • 既存BGMを歪ませたものを使用している…という点も、(いちばん初めにも書いたが)もしかしたらddlcを彷彿とさせたのかもしれない。

  • あたたかいのにぐちゃぐちゃしていて、壊れてしまったんだな…というのが伝わってくる。


◉走馬灯のように流れる、過去のスチル絵

  • ここ、本当に凄かった。

  • 個人的な話だが自分が一番好きな映画で、主人公が自身の親友が死亡したという報せをきいた瞬間に、自分が撮ったその親友の写真が走馬灯のように無音で流れる…という場面がある。そこの表現が以前から好きであったため、プロセカで同じような表現が見れたことに驚いた。

  • 別にここの表現がなくても話は繋がる。でも、これがあったことで瑞希の絶望感が読者側に伝わってきた。

  • ここまでの4年間で登場していたスチル絵が使用されていた。もちろん瑞希にとっては4年間ではなくここ1年ほどの記憶であるが、読者側の4年間と瑞希自身の1年間はちょうど濃密さとか懐かしさとかが同じぐらいなんじゃないか…という感じがあり(ここら辺うまく伝えられない。ごめんなさい。)、追体験できている感が凄かった。


書き下ろし楽曲について

  • 書き下ろしP担当前は、「次回の瑞希バナーはwotakuさんかなぁ?」と考えていた。イベスト読後、「このイベストはwotakuサウンドじゃなくてなきそサウンドだ!!」となった(誤解のないように言っておくと、wotaku氏が駄目とかそういう話では全くないです)。

  • なきそ氏、2年ほど前から「プロセカの書き下ろしがしたい!」というような旨のポストをされていた覚えがある。自分がなきそ氏だったら、念願の書き下ろし依頼が超重大イベント担当で大喜びしちゃうかもしれない。

  • 「化けの花」、曲もMVも怖いはずなのに何度も聴きたくなってしまう。

  • 書き下ろしを依頼されたPはストーリーの概要だけ渡される、つまりイベスト全てを読めるわけではない…みたいなことを以前開発者のインタビューか何かできいた気がする。もしそれが今も継続しているならば、概要だけ読んでこの曲をつくったなきそ氏が凄すぎる。あまりにもイベストにリンクしている。

  • 「みーんないなくなれ」…という歌詞は「ボクのあしあと キミのゆくさき」の瑞希のセリフから着想したのかしら。ここのセリフが以前から印象的で好きだったので、(言い方がおかしいけれど)嬉しい。

  • ラスサビ前に転調するところで毎度鳥肌が立つ。気持ち悪くて最高だ!

  • ニーゴの書き下ろし曲で、ここまで希望が無くて絶望感マシマシなのは初めてじゃないか?また、これまでの瑞希バナーのMVの色使いと違い過ぎる。


その他いろいろ

  • 新規カードイラストも好きだ。過去のカードイラストのオマージュっぽいところとか、こだわりを感じる。

  • SNS上では特訓後瑞希が自死の示唆、みたいなことを言ってる人もいたが、自分は「瑞希の(あくまでも)心が死んでしまった、崩壊してしまった」というように受け取った。

  • そういえば神高フェスティバルの時の星4メンバーが(ワンダショ)兄さんだったなぁと。そこまで考えているのか、それともただの偶然なのかはわからない。

  • アウティング描写の警告はつけるべきだったのでは?と思います。もちろんその警告をつけることで読む前に展開が読めてしまうということはある。それでも、現実世界でアウティング行為で苦しめられトラウマになっている人々がいるのだから、その方々のために警告はつけるべきだったと思うのだ。

  • 次回のニーゴ箱が絵名バナーと仮定して…どなたが書き下ろしてくださるかがとても気になるところ!個人的にはkeeno氏(本当に本当にお願いします)、n-buna氏(透明エレジーに囚われてるだけかも)、wotaku氏(でもwotaku氏は冬弥バナーで聴きたい気持ちもある〜)、2回目なら文脈的にぬゆり氏、まさかの復活でトーマ氏(現Gyoson)、絶対ないけどハチ氏 きてくれ〜!!という感じだ。…ご存命であればwowaka氏の音でも聴きたかったなぁ。

  • バナー順が発表された時は、正直周年後一発目が瑞希バナーなの怖いから彰人バナーにしてくれ!という気持ちがあったのだが、今は瑞希バナーの後が彰人バナーで本当に良かったと思っている。メタ的なことを言うと、作中で街の人々の心に火をつけたように、今度は我々豆腐の心に火をつけてくれるんじゃないかな…と思う。鬱Pの時点で信頼でしかない!という気持ち。予告からカッコ良すぎる!アツい!………ところで、ビビバスは「絶対音楽で踊れ」歌ってくれないかしら。

  • 自分でも何故だかわからないが、読了後からずっと頭の中でなきそ氏の「花めかない」が流れている。歌詞がイベストにめちゃくちゃリンクしているというわけではないのに…。

  • そういえば、類はアークランドの勧誘を旭さんからされていたこと、ワンダショメンバーにはまだ伝えていなかったはず。旭さんは「卒業後にまた来る」…みたいな話を言っていたので、そこら辺の話もいつかやるのかしら。屋上組、応援しています。

  • 「ボクのあしあと キミのゆくさき」の直前に類バナーである「Revival my dream」が開催されていた。このイベントでは類の過去に触れながら、もう孤独ではないということを確認するようなストーリーが展開されていた。おそらく、わざと類バナーのあとに瑞希バナーをやったのかなぁと思っている。今回も、瑞希バナー直前の周年ブルフェス限定メンバーで類を出しており(詳しくは書かないが、このサイストの内容は「孤独だった過去も大切にしている」、「今はもう大切な仲間がいる」ということが描かれているものであった)、多分ここも意図的にやってるんだろうなぁ…と思う。

  • 類と瑞希の対比だったりなんだったりは、他のイベストでも見ることができるので、興味を持った方は是非。個人的には、「シークレット・ディスタンス」、「カーテンコールに惜別を」それぞれの電車での場面が好き。

アフターライブ(追記)

アフターライブを観た。過去に見ないくらいの開催時間で、イベント開始日から話題になっていたものである。瑞希が過去を回想するのかな…などと予想していたが、大体予想通りといった感じだった。…が、歌い終わった後に1人ずつニーゴのメンバーとルカさんが消えていくのにはびっくり。それにしても今回の瑞希の衣装はイベストにピッタリだ。アフターライブでそれを再認識した。

おわりに

ボカロ曲・文化が好きであったこと、スマホでボカロ曲の音ゲーがやりたかったこと、そして吉岡茉祐さんが以前から好きで、そんな吉岡さんが演じるキャラクターが所属するユニットに大好きなMitchie M氏が書き下ろしをしたこと…などがきっかけでプロセカを始めた。ストーリーはそんなに読まなくてもいいかななんて最初は思っていたのだが、プロセカが紡ぐ物語とキャラクターに魅了され、今では音ゲーよりもシナリオを楽しむようになっている。正直、自分でも驚きだ。今の中高生はこんな良質なストーリーを無料で楽しめるのかと思うと、羨ましくてしょうがないです。

プロセカをインストールしてから、自分にとって初めて開催された混合イベが神高フェスティバルだった。それもあってなのか、2回目の神高祭イベであり瑞希にとって重要である今回のイベストにとても感情移入してしまった。プロセカは最初から大まかな展開を決めているそうで、きっと今回のイベストについても考えられた上で神高フェスティバルも描いていたんだろうな、と思う。

「いつか物語を終わらせる」というようなことを言っていたのが、プロセカの信頼できるところだと思っている。色々な意見はあると思うが、当初からライターが描きたかったものを描き切って欲しいなと思う。今後のストーリーも楽しみです。

…そういえば、5周年記念のアニメがあるなら、ここから始まるのか!?辛い。


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