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Photo by
michicusa
乳がんアラ還 髪はおんなの
上半期 最後の散髪に行く。
若い頃行っていた美容院は、それなりに満足いく出来にしてくれていたけれど、ある日、年配のご婦人がカットとセットを終わって帰って行かれたあと、『帰りに遺影でも撮ってきたらいいのに』とスタッフ同士で笑っていたのを聞いて、すっぱり、行くのをやめてしまった。
それからすぐに、歩いて行ける近所の美容院に変わって、もう10年以上経つ。なんだ、かんだで、そこに通い続けている。アラフィフオーナーが一人でやっておられるせいか、話を振ると、よく自分のことを話してくれる。オーナーの胃が半分無くなった経緯も聞いていたし、ぎっくり腰で動けなくなったこと、高血圧で薬を飲み始めたことなど、年齢的にも病気の話が盛り上がる。
実は・・・と私が躊躇しながら話し始めたら、『告白されるのかと思った』と大笑いしていたが、治療の為、脱毛すること、しばらくカットには来れないことをつらつらと話した。拍子抜けしたのは、オーナーが抗がん剤による脱毛のこと、生えはじめ、伸びはじめの様子など 私より詳しかったこと。プロだからか、それ以外の訳か、医療用ウィッグにも詳しくて、『持ってきてくれたら合うようにカットするよ』と言ってもらえた。
こころの隙間を少し埋めてもらい、アッコさんくらい短くなった頭で、水たまりを飛び越えて帰ってきた。
いつも、洗いっぱなし、乾かしっぱなしで、朝ちゃちゃっと水を付けてかきあげていた髪。
とことん、引きずるなぁ。わたし。