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因果応報
今日いつもコメントを頂いている方の記事で、忍者のことが上げられていました。
コメントをやり取りする中で、思い出したことがありますので記事にしたいと思います。
外遊び大好き少年
子供の頃、私は外遊びが大好きで、家でおとなしく遊んだ試しがありません。
いつも裏のお寺の境内や、近所の公園で友達と砂まみれになって遊んでいました。
特に好きだったのは戦争ごっことウルトマランなどのヒーローごっこ。
中でも『仮面の忍者赤影』ごっこが大好きで、爆竹を投げあったりして遊んでいました(今なら即禁止)。
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小学校の校庭でブーメランを拾う
ある夏の日の昼休憩、校庭の脇にある草むらに何と金属製のブーメランが捨ててあるのを発見しました。
それは黒くてカーブをしている鉄製のもので、カーブの内側にはギザギザの刃まで付いていたのです。
今から考えると「草刈り鎌」の柄が外れたものだったのですが、子供の私にはブーメランに見えました。
早速2~3回投げてみて、結構遠くまで飛ぶことに満足して校庭の用具入れ場に隠しておきました。
チャージン、加害者となる
次の日ブーメランで遊ぶつもりで、給食を食べながら窓から校庭を見ていると、1歳年上の連中がすでに校庭を占拠して遊びまわっています。
その中に『チャージン』というヤツが、見覚えのある黒い三日月状の物を自慢げに友達に見せていました。
昨日私が見つけて隠しておいたブーメランを横取りしたに違いありません。
「あのヤロー!」私は取り戻そうと急いで給食を掻き込みながら、チャージンの様子を見ていました。
チャージンはおもむろにブーメランを持った手を頭上にかざすと、「たーっ」という掛け声とともに空中に投げ放ったのです。
「あっ!」私は次の瞬間体が硬直しました。
チャージンの投げた『鎌』は空中高く舞い上がると、そのままの勢いで『浜にゃん』というヤツの腕に突き刺さったのです!
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校庭は騒然となり、関わり合いになるのを避けるために校庭に降りるのを辞めました。
次の日の朝礼で、校長先生がチャージンと浜にゃんの一件を皆に話し、注意喚起がなされました。
忍者ごっこ
数日後、公園に行くとチャージンとその友達が3人ほど遊んでいました。
私は忍者ごっこをする予定で、灯油の一斗缶(当時はブリキ製)のフタを平たくつぶし、外側をブリキばさみでギザギザにカットした手裏剣もどきをポケットに入れていたのです。
早速チャージンたちと合流して忍者赤影ごっこを始めました。
遊びが熱を帯びてきた頃、ポケットに手裏剣があることを思い出したので手に持って構えます。
「浜にゃんの仇ーっ!」
そう叫ぶと、チャージン向けて全力投球してしまったのです。
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一斗缶手裏剣は一度右に曲がった後、左に急旋回してチャージンの額あたりに コツン という音を立てて当たりました。
慌ててしゃがみこんだチャージンの元へ駆けつけると、彼は大粒の涙を流しながら泣き出しました。
額からは少しだけ血がにじんでいて、それほど深い傷でもなかったので皆で唾を付けて(!)治療完了として一件落着。
因果応報
不思議なことに、チャージン家からの抗議もなく親に報告しても叱られることも無くこの件は終わりとなり、「無罪放免 お構いなし」という結末でした。
後でこの一件のことを親戚のおじさんが耳にして、私に言いました。
「悪いことをしたら自分にも悪いことが降りかかる。神仏が決めた因果応報だがな。お前はチャージンにケガさせたけど、神さんや仏さんに命じられてやった事だけん悪いことは起きーせん。心配にゃ(心配ない)」
この言葉でホッとした私は、「神様公認なら問題なし」と胸をなでおろしました。
浜にゃんにけがをさせた因果が、チャージンに報いたのだと思ったのです。
今から考えるとガキのいたずら事故が二つ続けて起きただけなのですが、もしかしたら本当に因果応報だったのかもしれません。