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異世界 熊野

昨日の午前中まで出張で豊橋市にいました。

昼前に仕事が終わり、以前から行ってみたかった那智勝浦の洞窟温泉「ホテル浦島」に迷わず直行です。

今回は南紀の旅日記をUPしてみたいと思います。

豊橋から那智勝浦へ

ニュースでは日本のほぼ全体が豪雪予報となっています。
南紀で遊んでいるうちに、積雪で家に帰れなくなってしうまうかもしれません。

まあ、その時はその時だし、悩んでもしょうがないし。
いつものお気楽能天気が顔をもたげ、気が付いたら伊勢湾岸道を走っていました。

これは豊橋ではありません、勝浦の絶壁です。

豊橋市はいつもこの時期は晴天で、雨に遭遇したことがありません。
ましてや雪など想像もしていませんでしたが、強い風と共に雪が舞ってきました。

「ええい、ままよ !」深く考えずに伊勢湾岸道を走り、トイレ休憩で立ち寄った刈谷パーキングエリアの虎屋でういろうを買い、いざ紀州へ。(みっ、三寅さんゴメンナサイ💦)

豊橋から南紀勝浦まで大した距離ではないと気楽に考えていましたが、案外長い距離で驚きです。
しかも横殴りの雪まで降ってきます。

10時頃に出発して、15時過ぎにホテルの駐車場にようやく着きました。
この程度の運転時間には慣れていますので、大したことは無いのですが、雪と横風でいつも以上に疲れ果てました。

しかし、いつ来ても紀伊半島、特に熊野は他の地域と雰囲気が違います。
山の形も迫力があり独特で、神秘的な形の岩が無数にある海岸線にも圧倒されるのです。

写真では分かりにくいですが、連山ではなくて独立峰が林立している感じです。

「何かがいる」という感じではなくて「異世界に入った」という不思議な感覚で一杯になる場所ですね。

ホテル浦島

広い駐車場に到着し、待機していたマイクロバスで船着き場まで移動です。
すぐに亀の形をしたカワイイ船がやってきて、4~5人程度のお客さんとホテルの船着き場へ向かいました。

バスから乗り換えるのが面倒な人は、そのままバスでも行ける。

フロントに入ると、中国のお客さんが山ほどいます。
皆声はデカいですが、マナーは良さそうでした。

チェックインして部屋に入り、待望の洞窟風呂『忘帰洞』に向かいました。
しかし、迷路のような館内をかなりの距離歩き、足がつりそうになってようやく到着💦

中は秋芳洞のようなデカい洞窟になっていて、これまたデカイ湯舟が3か所。
洞窟の先端には海が開けているし、ここにも露天の風呂があって海を見ながら湯船に浸かれるという豪華版です。

この絶壁の洞窟に温泉が湧き出ている。戦国時代は武士の戦傷を癒したらしい。

ところが和歌山弁らしき言葉のあんちゃんたちがデカイ声で、くだらない話を延々と続けています。
雰囲気ぶち壊しで、中国人の観光客らしき2人も圧倒されて下を向いてしまいました。

頭にきて「おい、少し静かにしてくれんか」というと、案外あっさりと「すいません」と退散していきました。
泉州のおっちゃんみたいで、自分のことをカッコいいと感じた次第です。

ここホテル浦島は、他にも何か所も湯舟があり、全部制覇するにはかなり歩きます。
半分だけにして、翌朝入浴しました。

風呂の入り口に祀ってある、大日如来の像。

さて、普段は9時までウダウダと寝ている私ですが、6時に目が覚めたので早速朝風呂としゃれこみます。

部屋の近くの『玄武洞』という、前日入った『忘帰洞』の小型版岩風呂につかり「ふーっ」と満足な息を吐きました。
すっかり戦でやられた、傷をいやす武士気分です。

気分最高で風呂から上がり、部屋でほうじ茶を飲みながら栗ういろうを食べるという至福のひと時を過ごしました。
三寅さん、スマン💦

補陀洛山寺

チェックアウト後、車で10分程度の場所にある『補陀落山寺』に向かいます。

補陀落山寺の本堂、すごく天気がよくてシバれる朝でした。「寒いっ!」

このお寺は以前テレビで見ましたが、西方浄土に行って衆生を救ってもらうために、住職さんを小舟に乗せて海に流したそうなのです。その数、記録に残っているだけでも20数回 !

お寺の境内に復元した船が展示してありましたが、すぐに沈没しそうな小舟で、しかも住職さんが出られないように戸を釘で打ち付けて流したそうな。
中には逃げて姿を隠しているところを発見され、無理やり連れ戻されて流された住職さんもいるのだとか💦

こんな小さな船に乗せられて海に乗り出した。補陀落渡海というらしい。

ひぇーっ、思わず血の気が引きました。もっとも最後の方は住職さんが寿命で亡くなってから、遺体を船で流したようですが。

裏山にある「平維盛」と一族の墓。彼は「一の谷合戦」後熊野に逃れて補陀落渡海した。

熊野速玉大社

補陀落山寺を見学した後、新宮市の『熊野速玉大社』に向かいました。
ここは言うまでもなく、全国の熊野神社の総本社で熊野三山の一つとして信仰を集めてきました。

熊野速玉大社。全国の熊野神社の総本社。

島根県にも熊野神社がありますが、一説によると起源はここよりも古いと言われていて、どちらが本家本元なのだろうと興味がそそられます。
島根の熊野神社は出雲大社よりも古いことは間違いなく、出雲大社より熊野神社の方が格が上らしいです。

補陀落山寺から20分程度で到着し、駐車場はガラガラで境内にも人はまばらでした。
手水舎の水が凍り付いていて、昨晩の寒さが想像できます。
すごくいい天気なので、放射冷却現象で冷えたのでしょう。

見えにくいが、つららが下がっている。

早速本殿にお参りをし、御守りを買いました。
母親が今週ひざの手術を受けますので、足腰のお守りと、自分用に八咫烏のお守りを可愛い巫女さんから購入です。

不謹慎にも鼻の下が、2~3センチも伸びていました。

足腰のお守りと、八咫烏のお守り。

その時太鼓の音が響き、本殿から宮司さんの祝詞が聞こえて来るではありませんか。
見ると誰かがお祓いを受けているところでした。

立派な社殿の熊野速玉大社。

水干に烏帽子の宮司さんはカッコよく、スマホで写真を撮ると嫌な顔をされたので、おもわずポケットにスマホを仕舞いましたがヒンシュクを買ったのは確かです。
スマン💦

山陰は雪じゃーっ!

この後那智の滝を観たかったのですが、夜になると大雪になるかもしれないので、後ろ髪を引かれる思いで帰路に着きました。

途中、竜串の橋杭岩を観たり、大阪市内の高速道路をスリル一杯でブッ飛ばしたりして満足し、イザ山陰方面に向かう米子自動車道で本格的な雪に遭遇しました。

橋杭岩。溶岩が突き出して風雨にさらされ、このような形になったらしい。

雪道の運転は慣れているものの、道路そのものが封鎖される場合もあります。
そうなれば一般道で帰るしかなく、帰宅は夜中になることは確実。

ハラハラしながら運転しましたが、中国山地を超えると雪は全くありませんでした。

雪の米子自動車道

紀伊半島はまだまだ見たいところが山ほどあり、次の機会を見つけて再訪するつもりです。
それまでに旅行資金を貯めなアカンなぁ・・

遊んでばっかりのまなきねこでした。


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