#27 不良じゃなくてツッパリ!? 横浜銀蝿「ツッパりHigh School Rock'n Roll(登校編)」
RADIO BERRYで放送中の「ミュージックメモリー 〜音楽のSDGs」担当のケンです。
今日ご紹介するのは横浜銀蝿「ツッパりHigh School Rock'n Roll(登校編)」です。
キャロル、クールス、などとともに不良ロックバンドと分類される彼らでしたが、それまでのツッパリロックにはなかった要素がありました。
日本の代表的な不良ロックバンドといえばキャロルです。
彼らの「ファンキー・モンキー・ベイビー」は当時のロックバンドとしては異例の30万枚を売り上げ、不良文化だけでなく日本にチャック・ベリー式のロックンロールを浸透させるきっかけにもなった偉大なロックバンドでした。
キャロルの親衛隊として活動していたバイカーたちによって結成されたのがクールスですが、こちらは舘ひろしのバディ・ホリーのような歌い方が印象的なドゥーワップ系のロックンロールであり、鈴木雅之率いるラッツ&スターにつながる流れとなっていきます。
横浜銀蝿は彼らとは違い、80年代にデビューしたニューウェーブ系不良ロックバンドとなるわけですが、彼らもまた不良ですが、歌詞の内容を見てみると母ちゃんには「行ってきま~す」と元気よく挨拶をし、かわいいあの娘とおててをつないで歩くし、そもそも不良なのに毎日元気に登校するし・・・とかつての不良ロックとは違うどこかとぼけた「不良」が描かれています。
かつての不良とは学校にも行かず、毎日バイクでツーリングをするような文字通り「不良」だから不良と呼ばれたわけですが、よくよく考えれば彼らは「ツッパリ」と自称しているだけで毎日学校には来ているわけで、もしかしたら「不良」が世間に受け入れられる過程で「ツッパリ」へと変遷をたどったのかもしれません。
このヒットの翌年にはテレビ番組「欽ドン!良い子悪い子普通の子」が放送開始。番組内の「悪い子」はお調子者でとぼけているキャラクターでした。
これ以降のどこか抜けていて本当は優しいという「不良」のイメージは横浜銀蝿による影響が大きいのではないでしょうか。
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