マイルスデイビス〜ジョンマクラフリンそしてジェフベックへ その2

さて、その1で書いた記事はマイルスにもマクラフリンにもほとんど触れていない。今回はビバップからなぜマイルスなのかについて触れたいと思う。
マクラフリン、ましてジェフベックまで到達できるかも分からない。

全記事ではビバップの成り立ちまで記述したと思う。世間的にもビバップ黎明期から飛び抜けた存在になったチャーリーパーカーはビバップジャズの中でNo.1の存在であることに意義を唱える人は少ないだろう。
とにかく彼のプレイは華やかだった。目まぐるしく変化するコード進行の中でそして高速テンポのなかで誰よりも流暢にフレーズを紡ぎ出した。
対してマイルスデイビス、彼はチャーリーと一緒に仕事したことがあるのだがチャーリーのアドリブを聴いた後にデイビスのプレイを聴くとなんとなく貧相に聞こえる。
例えていうなら、ジョンコルトレーンがジャイアントステップスで複雑すぎるコード進行にて華麗で高速なフレーズを弾いた後にバトンを渡されたトミーフラナガンがあまりにも複雑過ぎるコード進行にてついていけず憤死した時の様な残念さを覚えるのだ。

しかしマイルスに取ってはそれは織り込み済みであったかもしれない。少なくともジュリアード音楽大で正式な音楽教育を受けたマイルスが音楽理論に戸惑うことはあり得ないし、元々マイルスの演奏は音数が少ないので有名である。ある意味キラーフレーズとも言うべき効果的なフレーズを打ち込むのがマイルスの真骨頂だ。
そんな中でフレーズを吹きまくるチャーリーパーカーの演奏に自分のスタイルが埋もれてしまうことに違和感を感じたマイルスは次なるステップを開発することに意識を向け始める。
その終着点がいわゆるモードである。
ビバップは元々複雑なコード進行基づいて演奏するスタイルであるが、そこにはコードの構成音を外してしまうことは致命的である。
マイルスはその制約に疑問を持ったのであろう。そこで考案したのがモードに基づいてよりフリーにアドリブを行うと言うものである。
モードについては各自調べて欲しいのだが、アドリブを構成するにあたっての音がコードの構成音に対してモードにおいてはアドリブの構成音はスケール単位になるのでそのアドリブの自由度は格段に上がる。
目まぐるしく変化するコードの構成音を常に追わなければならないジャズに対しマイルスが開発したモードを主体とするジャズはクールジャズと呼ばれる様になるのだ。

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