室井慎次 生き続ける者 ネタバレ重め激アツ感想

生き続ける者、映画としての評価は私にはできない。

なぜなら私は、踊るの世界と、室井慎次という人を愛しすぎていて。大好きな室井さんの人生を目撃できたこと、あんな幸せそうな室井さんを見れたことが嬉しくて嬉しくてたまらなかったから。製作してくれてありがとう。見させてくれてありがとうという気持ち。

製作陣に対する批判もわからないでもないが、少なくとも私は、室井慎次という人と、それを演じた柳葉敏郎さんへの、リスペクトと愛情を感じた。

室井さんにはもちろん生き続けてほしかったけど、連ドラ当初に室井を演じることが辛くて殉職させてほしいといいながら、全身全霊で室井と向き合い、演じてくれた柳葉さんに対する解放かとおもうと、この結末は納得してしまう。

踊るの根幹は、事件に関わる人たちを救うことと、そのための室井と青島の約束だと私は解釈している。ただ、この年齢になった二人が、昔のように事件に向き合い続けることができるわけではない。二人の生きる意味は、次世代への継承になった。和久さん吉田副総監から青島と室井へ。そしてその想いは、タカやリクや杏や乃木巡査に引き継がれた。ファイナルの段階では青島も室井もまだ現役だからできなかったことが、12年たってやっとそれが描けるタイミングになったからこその踊る再始動だったのだなと。

今回織田さんが青島としてサプライズ出演してくれたのも、きっとそこに対する想いがあったからこそだと思う。自分たちが和久さんになる日がきた、バトンを受け渡すときがきた、ってことかと。

これがスピンオフなのは、やはり踊るとはテイストが違うから。室井慎次の人生はコメディにしちゃいけないから。じっくり見たいものだから。だからとても良かった。

子育て現役世代としては、リク、タカ、杏への室井さんの想いに嗚咽する並に泣いてしまった。室井さんには実子がいないけど、この子達に出会えて本当に良かったね、と。この子達も室井さんに出会えてなんて良かったんだと。この家族の末長い幸せを願っていたいけど、それじゃ話にならないものね。

人が生きる意味って、私は次世代への何ができるのかってことにつきる気がしている。室井さんが夢破れて逃げたんじゃなく。たくさんの人に想いが繋がったことが嬉しくて嬉しくて涙とまらず。

次はやっぱり青島サイドを描くしかないね。織田さんの青島、こりゃまたやるね!いつだろう?ただ、そのときの踊るは、もう室井さんがいない世界なのだと思うととても辛い。

今から室井さんが若くて楽しかった頃の連ドラや映画見るのもとても辛い。だって私はもうこの室井の最期を知ってるんだもの。(号泣)

でもこれは。27年踊るを見続けてきた者へのプレゼントかつ試練だと思っている。27年たったらそりゃいろんなことあるわ。リアルで亡くなってしまったいかりやさんや小林すすむさんもいらっしゃる。踊るにシリアスは似合わないし、今まで誰も殉職させなかった。でも、人はいつか亡くなる。これから踊るがどうなるかはわからないけど、踊るの登場人物が劇中で亡くなるのは、室井慎次だけなんじゃないかと思う。それだけ特別なんだよね、室井さんは。

すみれさんの現在についてもそう。警察やめて後遺症で苦しんでいるのは辛いけれど、それはある意味、踊るの世界においてのリアリティ。青島と共にずっと背中合わせで刑事ができるほど、女性50代の人生は甘くないのではと。自分や家族の病気や体調不良に悩むこと、大なり小なりあることである。

でも、青島とすみれさんは、もう家族になっているのは間違いない(と信じてる)。室井さんが言う「家族も苦しんでる」の家族ってのは青島だよね。青島の左手薬指に指輪はなかったけど、指輪しなさそうだもんね、青島くん笑 すみれさんの後遺症も色々ひっくるめて、楽しく夫婦やってる青すみがいるんだと信じてる。

この映画、踊るファンに対するラブレターな気がします。私はなんとか受け止めた。

大好きだよ。室井慎次。
大好きだよ。踊る大捜査線。
最高な室井慎次をありがとうございました、柳葉敏郎さん。

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