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ダリクの冒険 二「絆のクリスタル:テイマーとの出会い」
「絆のクリスタル:テイマーとの出会い」
ダリクはクリスタルを手に、リリアとガルド、アイリスと共に草原を歩いていた。彼らは冒険の途中、この不思議なクリスタルを手に入れた。
「このクリスタル、一体どんな力があるんだろう?」リリアが興味津々でクリスタルを眺める。
ダリクは頷き、「それはまだわからないが、きっと何か特別な力を持っているに違いない」と答えた。
ガルドは豪快に笑い、「どんな力があろうが、俺たちの力になればいいんだ!」と力強く言った。
アイリスは穏やかな口調で、「それはそうね。でも、私たちが使いこなせるかどうかは別問題だわ」と付け加えた。
アイリスは「売ってしまう手もあるんじゃないかしら。力が災いとなるかも知れないし。」と言った。
「それはもったいないわよ。一度手に入れたものはそうそう手放すべきではないわ。」とリリアが答えた。
少女が彼らの目の前に現れた。彼女の名前はシルフィア。純白のドレスに金色の長髪、青い瞳の美しい少女である。彼女は頭に鳥を、肩にリスを乗せ、うさぎを抱えていた。サルがドレスの裾を引き、シカがしんがりを努めていた。彼女はいわゆるテイマーであろう。
ガルドがその少女を見て言った。「あの若さであれだけの動物を引き連れている。あの少女、手練とみた。」
アイリスが答える。「あれだけじゃないわ。遠く隠れて狼のつがいと、おそらく熊もいるわ。それに空を見て。あの鷹もテイムされているわよ。」
ガルドは空を見上げ、さらに感心した。
シルフィアは彼らがクリスタルの話をしているのを聞いていた。
「そのクリスタル、実は私のものなのだが…」シルフィアは尊大な態度で言った。
リリアは驚いてクリスタルを抱きしめ、「えっ、何を言ってるの?これは私たちが正当に手に入れた物だよ?」と反論した。
シルフィアは苛立ちを隠しきれず、「それは分かっている。だが、私にはそれが必要なのだ。どうか返してくれ。」と言った。
ダリクは構わない様子で、「もし本当にそうであるなら、返すべきでしょう」と提案したが、リリアは頑なに拒否した。
「一度手に入れた宝は、簡単には渡せないわ!」リリアは言い張った。
シルフィアとリリアの言い争いが始まり、それは長い間続いた。
「だって、あなたがどうしてそれが必要なのか、ちゃんと説明してもらわないと納得できないし!」リリアは言った。
シルフィアは顔をしかめて、「それは…それは、このクリスタルは、私にこそ似合うものだからだ。」と屁理屈をこねた。
リリアは大笑いして、「それだけ?お似合いだって理由で、私たちにクリスタルを渡すなんて言わせるつもり?」とからかった。
シルフィアは怒り顔で、「そうだ!おまえには分からないだろうが、私にはとても重要なことなのだ!」と主張した。
二人の言い争いはどんどんエスカレートし、理屈も通らない屁理屈が飛び交う場面となった。
「このクリスタルがあれば、私はもっと気高い存在になれよう。私にこそふさわしい。」シルフィアはイライラして言った。
リリアは更に笑い、「私は盗賊だからね。そんなことよりも、このクリスタルが私たちの冒険に役立つかどうかが大事だよ!」と言い返した。
とうとう、シルフィアもリリアも疲れ果て、喧嘩は収まった。ガルドがひとまず飯でも食おうと提案し、一行は宿へ入った。
宿の食堂での会話の中で、シルフィアが行き場も帰る場所もないことを打ち明けた。
「では、クリスタルのことはひとまず置いておいて、私たちと一緒に旅をしませんか?それならばクリスタルと共に行動できるでしょう。」ダリクが提案した。
シルフィアは少し考え込んだ後、「いいだろう、それを受け入れよう」と言った。
こうして、冒険者一行は改めて5人となり、また旅を続けることになった。
翌朝、リリアとシルフィアは眠そうな目をこすりながら、旅の先頭を争い始めた。シルフィアは右の道を指差し、その道が正しい理由を次々に挙げた。
「見よ!右の道は太陽が照らしていて、素晴らしい景色が広がっている。それに、道も整備されており、安全そうだ…」シルフィアは説得力を持って語った。
一方、リリアは左の道を強く主張し、その道には冒険とお宝が待っていると力説した。
「左の道はちょっと険しいけど、そこにこそ冒険の醍醐味があるんだよ。それに、お宝が眠っているのは、こんな道の先に決まってる!」リリアは熱く語った。
しかし、彼女たちの喧嘩に呆れたダリク、ガルド、アイリスの三人は、まっすぐ前の道を選んで歩き出した。シルフィアがテイムしている動物たちも、彼女たちの言い争いにうんざりした様子で、三人についていった。
ガルドは振り返りながら叫んだ。「置いてくぞ、お嬢さん方!」
リリアとシルフィアは、慌てて一行を追いかけた。彼女たちが走る姿は、昨日の喧嘩の様子を思い出させた。
そんな彼女たちを見て、ダリクは優しく微笑んだ。「まあ、喧嘩するのも仲がいい証拠です。これからも彼女たちが仲良くやってくれることを祈りましょう」と言った。
アイリスも頷き、「そうね。少しはリリアも成長するかもしれないわ」と穏やかに語った。
道中、リリアとシルフィアの喧嘩は続いたが、おかげで一行の旅は楽しく、笑いに溢れていた。彼らは困難に立ち向かい、時には喧嘩をしながらも、絆を深めていくのだろう。