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###第28話: 呪いの臭み 「アルティメットコスモ戦艦ヤマトタケルノイモフグリ」

艦橋には緊迫した空気が漂っていた。サナダ技術士官は、その座席に座り、目の前のコンソールに表示されたデータを凝視していた。そこには、「ガストロノミカ(珍味星人)」が提供してくれた地球の隠れた珍味に関する情報が記されていた。

「これが、地球を救う鍵になるのか?」サナダは、その言葉をつぶやきながら、ガストロノミカが持ってきた小瓶を手に取った。その中には、黒くて粘性のある液体が詰まっていた。

ガストロノミカは、不気味な笑みを浮かべて答えた。「それは、地球の最も貴重な珍味、"ブラックアンブロシア"です。ただし、その味わいには、特別な…臭みがあります。」

サナダは、その言葉に警戒しながらも、小瓶の蓋を開けた。すると、瞬く間に艦橋全体が、言葉では表せないほどの強烈な臭みで満ちた。それは、死と腐敗、そして何か神秘的なものを感じさせるような臭みだった。

「これは…何だ?」サナダは、その臭みに圧倒され鼻をつまみながらも、何かを感じ取っていた。それは、この臭みが持つ、不可解で恐ろしい力だ。

ガストロノミカは、その瞬間、真剣な表情に変わった。「この臭みには、古代の呪いが宿っています。この珍味を食べると、その呪いが解けると言われていますが…」

その言葉を聞いた瞬間、サナダの心の中に恐怖が広がった。この珍味が持つ呪い――それは、地球を救うために必要なものなのか、それとも…

「艦長、この珍味を食すべきですか?」サナダは、オキナイ艦長に向かって、その問いを投げかけた。

艦長は、その問いに答える前に、一瞬、何かを考え込んだ。そして、花をつまみながらゆっくりと言った。「それが、地球を救う唯一の方法ならば…」

サナダは、その言葉を聞き、一つの決断を下した。そして、ガストロノミカに向かって言った。「この珍味、そしてその呪いについて、もっと知りたい。」

ガストロノミカは、その言葉に微笑んだ。「それが、賢明な選択です。」

ガストロノミカは、サナダの背後にまわり羽交い絞めにした。「さぁ、艦長。彼の呪いを解くのです。」

サナダはうろたえた。「何をする!艦長、ここは私ではなく、あなたでは・・・」

オキナイ艦長は、ニヤリと笑い、「ミスター・ガストロノミカ、私に任せていただけるとは、光栄だ。サナダ君、地球の運命は君のその双肩・・・いや、味覚にかかっている」

サナダの唇に小瓶のふちがあてがわれる。

サナダの発した悲鳴・・・轟音・・・爆音・・・・あれは音の範囲を超えていた・・・・は、超真空の空間を超え三軒隣の銀河までとどろいたとか、いないとか。