ゼリオンの独白 「失われた仲間」
(本記事は、ジョン・ウィリアムズ「Across the Stars」を聞きながらお楽しみください。)
「我々は過ちから学ぶ、これがクロノ・ボーギスの宿命なのかもしれない。アシデュラをたどり着いた時、我々は未来に希望を見た。しかし、この酸の星が我々に仕掛けていた罠には気づかなかった。
最初の消失が起きた時、我々は恐怖と混乱に陥った。親しい友人、家族が目の前から次々と消えていった。ドーム「ヴィグラハ・ポンティス」は哀悼と悲劇の場所と化した。
しかし、我々はあきらめなかった。我々の科学者たちは硫酸霧の中のナノ粒子に着目し、夜を徹して研究を重ねた。ついに、その恐ろしい現象の原因が明らかになった。
ドームの微細な隙間から侵入したナノ粒子が、人々を内側から侵食していたのだ。植物が生み出す弾丸のような種から発生したこれらの粒子は、誤って呼吸してしまうことで、体の中に入り込んでいた。
解決策は困難だったが、我々は人々を守る新しいフィルタリングシステムを開発した。しかし、その時には遅すぎた。かつて数百人いた我々の仲間は、わずか12名にまで減っていた。
我々は、ボーギスとしての新しい生活の第一歩を踏み出すために、多くの友を失った。アシデュラは教訓として永遠に心に刻まれるだろう。
失われた仲間たちへの追悼の意を込めて、我々は再び宇宙への道を探す。我々の歴史は、失敗と再生の繰り返しであり、アシデュラでの経験はその一ページに過ぎないのだから。」