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ゼリオンの独白「神は死んだのか: 特異点の中の真理」

我々はタイムワープに成功した。その技術は、ブラックホールと白色矮星の多重連星系に現れた時限的特異点を利用するというものだった。

特異点は、時空を歪ませる強力な力を持っており、その力を利用して過去に移動することが可能となった。しかし、特異点は非常に危険な存在でもあり、その力に触れた者は意識を失ってしまうことがわかっていた。

にもかかわらず、我々は特異点を利用して過去に移動することを決意した。我々は滅亡の危機に瀕していた。過去に戻り、それを食い止める道を探ろうとしたのだ。

22万のタイムトラベラーが特異点に送り込まれ、過去に飛んだ。確かに過去へと戻ることはできた。95%は、その命脈をたち切られた。

「特異点は、意識を持っている。それは我々を殺したがっていて、実際にそうした」ヌギは、タイムワープの途で特異点の意識を垣間見たという。

タイムワープの生き残りとなった我々は、特異点の脅威はそれで終わったものと信じていた。しかし、我々は間違っていた。特異点は、まだ存在していた。そして、それは再び我々を襲おうとしていた。

アシデュラが我々の生存を脅かす存在になったのは、「特異点の悪意」から来たものだ。タイムワープは宇宙の真理の上で「禁忌」であることを知った。「全てを超越したもの」が確かに存在する。それを神と呼ぼうが、悪魔と呼ぼうが、決して触れてはいけない存在だったのだ。我々は警告する。その神か悪魔か宇宙の意志か、なんと呼ぶにせよ、敬意と畏怖を持って対峙すべきだ。知ってはいけない知識が確かにあることを知っておくべきだ。

我々は22万から12へと滅びの道を進んだ。この生き残りの意味するところは、いまだ分かっていない。だが、繫栄した知的生命体に我々のたどった道が耐えうる事ではないのは確かだ。我々とて、耐えきれているわけではない。我々はすでに「絶望」に食い尽くされているのだ。我々の集合意識とドウニ化すれば分かることである。試したいものは試してみれば良い。真理を求めるものの行為を止めはしないが、その前途は決して明るい未来などではない。