アルテオとエドガー: 正義の泥棒と追跡者の物語「黄金の竪琴」

「黄金の竪琴」

かつての栄光を今も湛える、かけがえのない芸術品、黄金の竪琴。その現在の保有者は、巧妙に裏社会を操る、不良貴族ギヨーム・ド・ヴェルニーであった。

ド・ヴェルニーの手に渡った経緯は闇が深い。彼が黄金の竪琴を手に入れたのは、それが権力の象徴、財力の証であったからだ。美術品の価値を理解する余裕もなく、彼はそれを自身の地位を誇示するためだけに所有していた。

その一方で、アルテオ・リュネは黄金の竪琴を取り戻す決意を固めていた。彼の心の中では、その竪琴はただの芸術品ではなく、何百年もの歴史と文化を内包した象徴であった。彼はその美しさを執着の対象にするのではなく、本来あるべき場所に返すことを決意したのだ。

アルテオの挑戦の前兆として、ド・ヴェルニーの手元に彼からの予告状が届いた。「黄金の竪琴は貴方のものではない。それは本来、人々の心を豊かにするために存在する。貴方のもとからそれを取り戻すことを誓おう。」アルテオの言葉は力強く、彼の強い意志が感じられた。

警備を強化するよう警告されたド・ヴェルニーは、すぐさま手配を始めた。黄金の竪琴を護るための警備員、セキュリティシステム、それらが館全体に配置された。一方、探偵エドガー・ラヴェルは彼の対策が不十分であると感じていた。「これでは足りない、アルテオはもっと巧妙だ」と彼は警告した。

そして迎えた決戦の日、アルテオは計画通り黄金の竪琴を手に入れるために行動を開始した。彼の手口は巧妙で、警備の目を逃れながら目標に近づいていった。警備員たちの視線を逸らすトリック、セキュリティシステムを回避するスキル、彼の行動一つ一つが巧妙に連携していた。竪琴が置かれている部屋に到着すると、彼の目はその黄金の輝きに捉えられた。しかし、彼の内心は落ち着きを保っていた。「これが目標だ。しかし、まだ終わりではない。」と彼は自分に言い聞かせ、自身の感情を抑えた。

竪琴を手に入れたアルテオは、次に逃走の準備を始めた。警備員たちが彼の存在に気づく前に、彼は音もなく部屋から姿を消した。その逃走はまるで影のようで、誰も彼の存在を感じ取ることはできなかった。

一方、エドガー・ラヴェルはアルテオの逃走を知り、彼の手口について考察を始めた。彼の心の中では、アルテオの行動に対する敬意と、次回への対策を練る決意が交錯していた。エドガーはアルテオの手口を詳細に分析し、その情報をICPOに報告した。「彼は一歩先を考えて行動している。我々もその一歩先を見越すことが必要だ。」と彼は報告書に記した。

黄金の竪琴を手に入れたアルテオは、それを本来あるべき場所に戻すことを決意した。その場所は、かつての王国を継ぐ一族が隠していた美術館だった。アルテオは黄金の竪琴をその美術館に返し、再び人々の心を豊かにするための存在とした。彼の行動は、芸術品が本来持つ価値を守るための、一つの戦いだった。

そして物語は続き、アルテオとエドガーの対決もまた、新たな転回を迎えることになった。

（第三話 終）