No.87所感=^_^= 教員でよかったと思うとき
(約1600字)
先日、某大学を訪ねたときのこと。
用事が終わって部屋を出たら、一人の中年男性が私を待っていた。
「N=^_^=先生、お久しぶりです。小学校で担任していただいたFです。覚えてますか?」
え!Σ(・ω・ノ)ノ
覚えてますとも!
この某大学は各教室のICT機器の管理を専門の業者に委託していて、Fくんは、たまたまここに配属になったらしい。
そしてその日私が来ることを、偶然知って、会いに来てくれたとのこと。
不思議なもので、いつもは思い出すことはほとんどないのに、話をしていると、その頃のことがどんどん思い出されてくる。
頭の中に、普段は開けることのない鍵のかかった記憶の引き出しがあって、そこに「F」というkeywordを差し込むと、開いた引き出しから次から次へとエピソードがあふれ出してくるような感覚。
Fくんは、あれが苦手だったなあ、とか、
あんなことがあったなあとか、そのシーンまで映像として次々よみがえる。
本人の名誉のために多くは控えるが、エピソードを一つだけ。
彼が何かわがままを言って、友達ともめたことがあった。
そんなことばかり言っていると、友達いなくなっちゃうよ、と私。
「いいんだもん、オレは、ゲームがあれば楽しいもん。」
そう、あなたがいいならいいけど。
でも、よく考えて。本当に友達いなくていいの?
「・・・・・」
寂しくないの?
「・・・クーーー(´;ω;`)ウッ…(泣く)」
ということがあった。
そういえば、彼はその頃から、時代に先駆けてゲームとかICT系が得意だった。
自分の得意を生かして仕事に就いていて、すばらしい。
お母さんは、お元気?
「ハイ、おかげさまで元気です。先生、よく母と話していましたよね。」
話していましたともさ。
話すことがいっぱいあったからね!
男の子は顔かたちがすごく変わってしまうので、街で会ってもわからない。
こうして話していると、醸し出す雰囲気は変わらないけど、この日だって、自分から名乗ってくれなかったらわからなかった。
でも、Fくんの場合は、ポッチャリとした体型は前とあまり変わっていなかった。
「はい。体型は全然変わりません。先生も、変わりませんね。」
社交辞令も言えるようになって、成長したなあ。
もう、何年前だ?
「30年前です。」
それにしても、よく私のこと覚えていたね。
「先生に担任してもらった3・4年生の時、一番楽しかったんで。」
お愛想まで言えるようになって、成長したなあ。
「先生のおかげで、給食が食べられるようになったんです。」
え?そうだっけ?
私、無理矢理は食べさせてないと思うよ。
「はい、何がきっかけだったかは忘れてしまったんですけど、食べられるようになったことだけ覚えてるんです。」
…
彼は仕事中だったし、私はすぐに出なければならなかったので、ほんのわずかな時間の出来事だったが、また、某大学に行くことがあったら会えるだろう。
…
家に帰って、どうして彼が給食を食べられるようになったのか、つらつら考えてみた。
きっと、こうだ。
私は、彼のためというより、子供たちみんなが給食を楽しく食べられるようにと思っていた。
おかわりジャンケンで毎日盛り上がっていたし、ご飯が残ったときには、My食塩を用意しておいて、おむすびを作ってあげた。
ルールとして、給食を残したら、おかわりジャンケンに参加することも、おむすびをもらうことも、もちろんできない。
なんの変哲もないそのおむすびが食べたくて、給食を残す子がほとんどいなくなった。
たぶん彼も、その中に入りたい一心で、給食を食べられるようになったのだと思う。
嫌いなものは最初から少ししか盛らないようにするのだが、それをきちんと食べきれば、イベントには参加できる。
きっとそれが楽しくて、彼はよく覚えていたのだと思う。
以前も書いたが、教員の言動が子供に与える影響は、大きい。
これからも、十分気を付けようと思うとともに、こういう嬉しいことがたまに起こると、教員をやってて本当によかったと思うのだ=^_^=
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