夫が希少がん! 第6章
第6章 宝くじ!?
術後のリハビリも順調に進み、予定通り、1ヶ月半の入院を経て、無事退院日の予定が決まった。
が、嬉しいことばかりではなかった。退院前に、思いがけない重要な事実を知ることとなった。それは、手術中に採取した組織の病理鑑定結果および術後の検査結果だった。首のリンパ辺たりの組織からは、ガン細胞は見当たらなかったので、転移の可能性はなし。
が、しかし鼻腔奥に、手術では取り切れなかったガン細胞があると告げられた。あんな大変な手術をしたのにも関わらず、まだ取り切れなかったガンがあるとは、予想外だった。退院後は、放射線治療を勧められた。1回目の手術の時は、術後の放射線治療も、抗がん剤治療もなく、終わったけど、今回はそうはいかなかった。ガン検査なんて、たまたま採取した細胞にガン細胞が確認されたからであって、それって、言い換えたら、宝くじに当たるようなものだと思った。だから、退院の日、私はつい、夫に「今回はガン細胞が見つかって良かったのよ。きちんと治療すれば、今度こそ完治、根治が望めるんだから!」と。夫は激怒した。夫の立場になって考えられなかった私が100%悪いのだ。深く反省。
後日、放射線科医から治療計画について説明を受けた。放射線治療の他に、陽子線治療のことも聞いた。聞きなれない陽子線治療、デメリットが少なく、治療効果が望めるが、県外での治療になること、場合によっては高額医療になること等デメリットも聞かされた。
色々悩んだ末、県外での陽子線治療にかけた。