掌編怪談「だってね」

娘が大学の課題で描いたという夜景の絵をみせてもらった

娘はいつも白黒の絵を描くのだが、今回は何故か空が僅かに赤みを帯びている

不思議に思い、理由を尋ねる

だってね、あーんってしてたから

この会話を境に、娘は私に対してのみ子供のような口調で話すようになった

その理由をずっと聞けないままでいる

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