掌編怪談「ノート」
ノートを使いきったが、新しく買うのが面倒だ
余りがないかと机を漁ると、見覚えのないノートが出てきた
開いて中を確認する
一部落書きが描かれていたが、半分以上が未使用だった
そのため落書きのあるページを破り捨て、残りを使うことにした
授業はいつも通り退屈だ
書き間違えたので消しゴムを持ち、ノートを左手で押さえる
消しゴムを擦り付けると、ノートがくしゃりとよれてしまった
押さえていたのにおかしいと思い左手を見る
ノートと同様に歪んでいた
半ば無意識にノートの皺を伸ばすと、手も綺麗に戻った
安心してノートから手を放す
手首から先がノートに貼り付いたままになっていた
鉛筆でノートを撫でると表面を滑る
左手をみると手首から先がなくなっていた
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?