掌編怪談「癖」

寝る時に右手首を掴むのが癖で、そうしないと眠ることが出来ない

珍しく夜中に目が覚めると、うつ伏せになっていた

左手でスマホを取って時間をみる

4:36 起きるにはまだ早い

もう一眠りしようと伸びをする

スマホと戻そうと手を伸ばし、そこで気がついた

左手にスマホが握られているのに、右手首がまだ掴まれている

恐る恐る右手をみる

手首に無数の毛が纏わりついていた

悲鳴を上げ、勢いよく体を起こす

ぶちぶちぶちと毛が千切れる音が聞こえ、手首に纏わりついていた感覚がなくなった

部屋を見回すが異常はない

手首に纏わりついていた毛もなくなっている

布団をみても毛は落ちていない

夢かとも考えたが、手首の赤さが現実だと物語っていた

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