掌編怪談「痴漢」

東京に来てからと言うもの、通勤に使う満員電車で毎朝痴漢されている

いつも怖くて何も出来なかったが、今日は勇気を出して触ってきた手を掴むと一気に頭の上に上げた

この人痴漢です!

電車内に私の声が響き、視線を集めた。

車内にはひそひそ声と共に数人の悲鳴が木霊した

犯人の顔を拝もうと上げた腕をみる

掴んだ腕には肘から上がなかった

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