掌編怪談「喉ちんこ」

喉ちんこに何かが張り付いている感覚がある

そのせいで咳が出る

うがいしても、何かを飲み込んでも異物感が消えない

腫れてるのかと思い、鏡で確認する

口を開け、ライトで口内を照らすが腫れている様子はない

じゃあ異物があるのかと考えていると何か見えた

見えたと言うより出てきたと言った方が良いかもしれない

喉の奥から猫の手の様なものが出てきて、じゃれているかのように喉ちんこをちょんちょん触る

異物感で思わず咳き込んだ

再度喉を見るといなくなっていた

愛猫を観察していた気がついた

たまに中空を見つめては、じゃれるように前足で空を切る

私はその都度、異物感に咳き込んでいた

ある日突然異物感がなくなり、それから愛猫が中空を見つめる姿をみなくなった

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