掌編怪談「懐胎」

ある産院に女性が来院した

生理が来ないとのことなので検査をする

検査の結果、妊娠3ヶ月だと判明すると彼女は驚いていた

心当たりがないらしい

彼女は悩んでいたが、両親の説得で出産することにした

かなりの難産で体力がもたず、我が子の顔を拝むことなく亡くなった

産まれた赤ちゃんには、何故かへその緒が繋がっていない

産声も上げず、咳をした

病気かもしれないと皆が身構える

ふぁ~良く寝た

赤ちゃんが喋った

以降は何も話さず、気のせいと言うことで落ち着いた

検査では異常はみられない

赤ちゃんは彼女の両親が引き取った

我が子が亡くなったと言うのに、彼らは終始笑顔だったと言う

お帰りなさいませ

去り際、赤ちゃんにそう声をかけているのが聞こえた

噂で彼女の両親が宗教を作り上げたと耳にした

復活が云々と唱っているらしい

考えすぎだろうか

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