掌編怪談「懐中電灯」
暗い場所で懐中電灯の光を顔の下から照射する
誰もがやったことのある遊びだ
息子にそれを披露すると初めは怖がっていたが自分もやりたいと言い出した
息子が懐中電灯で顔を照らす
息子の顔が見知らぬ女性の顔になっていた
光や影の影響に収まらないほどの変化に驚いた俺は息子から懐中電灯を取り上げる
息子は怒っていたが無理やり寝かしつけた
その日の出来事は、何故か頭から離れることはなかった
それから何年も経ち、息子が婚約者を連れてきた
彼女の顔をみて俺は驚いた
彼女の顔は懐中電灯で遊んだあの日
懐中電灯に照らされた息子の顔に浮かんでいた女性のものと瓜二つだった
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?