掌編怪談「蜜」

通学路に花壇がある

そこに咲くツツジの蜜を吸うのが日課だ

その日は、いつもより花弁が赤みがかっているように見えた

いつも通り花を採り、蜜を吸う

途端に花を投げ捨て、唾を吐いた

甘いはずの花の蜜から鉄臭さ、生臭さを感じたからだ

それからは蜜を吸うことはなくなった

翌日、色水を吸うと植物の色が変わることを学校で教わった

花壇の土に何かあるのかもしれないと思い、掘ってみた

それから生臭物と草花がダメになった

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