掌編怪談「ポイ」

立ち上がると火のついたタバコを地面に落とす

コーヒーを飲み干してゴミ箱に投げる

カンとゴミ箱の縁に当たり、地面に転がる

気にせず車に乗り込むと先を急いだ

やっとの思いで帰宅すると、ベッドに倒れ込む

翌朝

起きがけにシャワーを浴び、牛乳を一気に飲み干す

静かな室内を見渡して、やっと一人になった実感が湧いてきた

今日は気分が良くて、少し飲みすぎた

酔い醒ましに公園のベンチに座わり、夜風に当たっているとカランと音がした

足元にコーヒーの空き缶が転がっている

周囲には誰もいない

風か…ん?あっつ

足に何か飛んできたかと思えば、火のついたタバコだった

急いで払い落として周囲を見渡す

やはり誰もいない

おかしいと首を傾げていると、頭部に衝撃が走った

翌朝、泥だらけの女性と首の曲がった男性の死体が公園で発見された

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?