掌編怪談「公衆トイレ」

突然の腹痛に襲われた

出先なのもあり小走りにトイレを探す

見つけた公園に公衆トイレがあった

駆け込むと、三つある個室が全て閉まっていた

絶望を感じつつ入り口から順にノックをする

三つともノックが返ってくる

普段はそんなことしないが緊急事態なので声をかけた

すみません、限界なので急いで貰えませんか

するとカラカラとペーパーを回す音とジャーと水を流す音が聞こえた

助かったと思いベルトに手を掛ける

ガチャと鍵の音が聞こえ、三つの扉が同時に開く

人は出てこなかった

なんなら一番奥は掃除用具入れだった

震えながら入口に近い個室で用を足した

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