掌編怪談「犬」

我が家に子犬を迎えた

先日亡くなった祖父がいつの間にか飼っていたようで、祖父宅の庭にリードで繋がれていたのを引き取った

みたところ雑種のようだ

まだ若くて元気一杯だ

我が家に来てから一年経過した

子犬の顔には成長と共に模様が浮かんできた

日に日に模様が大きくハッキリしてくると、私にはこの模様が知った人の顔に見えてきた

両親は気のせいだと言っている

腑に落ちないが怖いので、そう言うことにしておいた

早朝、お散歩に連れていこうと庭の犬小屋に向かう

庭には犬の頭が無造作に置かれていた

私は悲鳴を上げた

どないした

声の方を向く

そこには祖父の顔をした人面犬が立っていた

それ以降、犬は家の中に入れて生活している

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