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映画 逆転のトライアングル。
こんにちは!
アカデミー賞3部門ノミネートの傑作です。
名作ですが、食事をしながらの鑑賞はお勧めしません。
敢えてエクスキューズを入れますが、気持ち悪くなるかもしれません。
途中からこんなシーンが、ストーリーの中に平然と流れてきます。
しかも、脱糞シーンも・・・
これ以上は、差し控えます。
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この映画の根底にあるテーマ、つまり
「訴えたいことは」
と、問われると、端的に
「資本主義と、社会主義、それぞれの末期の姿は、場所を変えると脆弱性が露(あらわ)になり、ヒエラルキーがいとも簡単に崩壊するものだ。」
ということです。
この説明では、かなり、混乱する方もいらっしゃるのでは・・・
通常、社会派の映画は、ややもすると人々にプロパガンダを植え付けるような、棘のある、または妙に重たい作品に特化しがちですが、この映画の監督兼脚本は「リューベン・オストルンド監督」です。
この監督の特徴は、一言で言うと「曲がったことが大好き」で、絶対、変化球しか投げてこないトリックスターなのです。
ストーリー展開ですが、お金持ちのモデル・人気インフルエンサーの「ヤヤ」と、男性モデル「カール」のカップルは、招待を受け豪華客船クルーズの旅に出ました。
リッチかつ嗜虐性に毒されたゆがんだ性格のクセモノだらけな乗客がバケーションを満喫しつつ、高額チップをちらつかせ、しかも金のためならどんな要望でも請け負う客室乗務員が笑顔を振りまく、エゴに溢れたゴージャスな世界。
この世の歪んだヒエラルキーが凝縮・具現化した客船の世界。
しかしある夜、船が難破しその間に海賊に襲われ、乗客は無人島に流れ着きます。
食べ物も水も通信機器もない極限状態では、地位も名誉も何の価値もありません、そんな原始の世界では本能だけがたよりの生活を強いられることになります。
見事崩壊したヒエラルキーの頂点に立ったのは、サバイバル能力抜群な船のトイレ清掃婦だった――。
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愉快なのか、不快なのか、疑問を全てカリカチュア(グロテスク・歪曲)として表現した映画です。
私が破顔したシーンをピックアップします。
アル中の船長と、ロシアの大富豪との酔っぱらい同士の会話です。
「社会主義の頂点とは、他人の金を使い果たすことだ。」
「共産主義者とは、マルクスレーニン主義の本を読んでいる連中だ。資本主義者とは、マルクスレーニン主義を理解している連中だ。」
などなど、名言があふれ出てきます。
のめりこむか、途中で嫌悪感を覚えて鑑賞を放棄するか。
選ぶのはあなたです。
私は、どっぷり耽溺しました。
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