反骨のピアニスト
ロシア人の世界的ピアニストで、アレクセイ・リュビモフさんが過日来日しました。
東京・広島でコンサートを行いましたが、その音色とは裏腹に彼の戦争に反対する反骨精神に感銘を受けました。
そのエピソードについて、紹介したいと思います。
彼は、ウクライナの作曲家ヴァレンティン・シルヴェストロフの影響を受け彼の楽曲を多数演奏していました。
一旦は引退したものの、自国ロシアの侵攻に抗議するべくカムバックしました。
音楽の力で、平和を取り戻せないかと考えた末にです。
ところが、演奏活動を再開したものの、敬愛していたヴァレンティンから通告を受けました。
「二度と私の曲を演奏しないように」と、ロシアの軍事侵攻に対する怒りと抗議の表明です。
しかし、アレクセイはモスクワで行ったピアノ・コンサートで、ヴァレンティンの作品を演奏し続けました。
演奏の途中にロシア警察は音楽会を中断させるべく、会場に突入してきました。
警官は、演奏を辞めさせるべく圧力をかけてきますが、平然と演奏を続けるアレクセイ。
無事演奏を終えると、観客からはスタンディングオベーションと歓声が上がります。
音楽という静かな武器を手に、公権力に対して自らの反戦行動を主張したアレクセイ。
彼の矜持に感動を覚えました。
一刻も早く、戦争が終わることを願っています。
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