読書紹介と感想文
2002年発売の宮本輝さんの小説です。
主人公は、玩具を製造販売している雅人という中年の男性です。
雅人は、幼少期に物乞いをしている母親とドヤ街の橋の下に住んでいました。
母の死後、養子として迎え入れられた雅人は、弟となる紀代志と暮らします。
戦後の混乱期に、逞しく生きる兄弟が、やがて迎える運命。
中国旅行中にタクラマカン砂漠近郊の村から、自転車に乗ったまま忽然と姿を消した瀬戸雅人。
彼の帰りを待つ千春と幼子のせつ。血のつながりのない弟・その足跡を辿るうちに明らかになる兄がたどった人生──。
少年期から雅人が憧れていた、黄河源流にある「星宿海」とは? 雅人が抱えていた戦後から現代に至る、壮絶な人間模様を抒情豊かに貫く感動巨編。
宮本輝さんの人間賛歌、時をおいてまた手に取りたくなる作品です。
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