落ちこぼれがカナダへ留学したワケ②
高校2年生の私は、来る日も来る日もミノムシのように布団に包まり、海外ドラマを観まくった。
両親には、”単位が取れる程度に学校には行くように” とだけ何度か言われたが、あとはそっと見守ってくれていた。
特にハマって観ていた海外ドラマは、Gray’s Anatomy, Ugly Betty, Gossip Girl, Friends, Downtown Abbey, SHERLOCKだった。
そして最も心を高校生の私の心を掴んだのは “Gossip Girl” と “Downtown Abbey” だった。
どちらも煌びやかな上流階級の人々のお話なので、より現実逃避に向いていたのかもしれない。
そして、ある日。布団ミノムシになりながら海外ドラマを観る日々が3か月程続いた頃。聞き取りができる事に気づいた。
その時の私は、
“んんん!?呪文のように聞こえたドラマの中の会話が、言ってる意味は分からんが復唱できるぞ!”
こんな感じ。
そして、”モチベーションの高い今なら英語の勉強できるかも!?” と何とか今の状況から脱却したい一心で、駅前の本屋さんに単語集を買いに行った。
買った参考書は、とりあえず中1、中2、中3の文法の薄い問題集3冊。
そして、単語帳はキクタンを購入。
そこから毎日キクタンの音声を聴き続ける生活が始まった。
通学時間は勿論の事、部屋を掃除する時、外を散歩する時、寝る前、朝歯磨きしてる時間。ほぼ全ての隙間時間にキクタンを聴き続けた。
そして、”わからない授業を聞く位なら、英語だけ勉強してやる”と、もう着いて行けなくなっていた英語の授業や数学の授業中は、ひたすらに中学生の英語ドリルを解いたり、キクタンをパラパラしたりし続けた。
問題集を終える度、単語を覚えれば覚える程、なんだか達成感と充実感が溢れてきて、少しずつですが将来への悲壮感が減っていった。
そして、高校2年生も終わりの頃。
文法だけですが、高校から中学までに習わないといけない範囲を終える事ができた。
そして、キクタンはエントリーとベイシックを使い、6000語をなんとか習得。
どん底の中で、取り憑かれたように勉強したこの英語の基礎が、今後の人生に大きな影響を与える事を私はまだ知らなかった。