「らき☆すた」と「ラブライブ」は簡単にまねできない奇跡であるという事実
はじめましての方ははじめまして
そうでない方はこんにちは
狐猫です。
日本が誇るサブカルチャーであるアニメは最近では市場が3兆円規模。
これを読んでいる方でもアニメが好きだという方は多いと思います。
今回はそんなアニメにまつわる記事になります。
2024年。今となっては各シーズン20本を超える新作アニメが現れるというアニメ戦国時代!
いやぁぁ毎シーズン何を見るか悩んでしまいますよ。皆さんシーズンに何本くらい見ますか??
私は5本が限界です。それ以外は終えません。
観たくても時間が足りないんです!本当に
あ、すみません。こんなオタクトークしてたらブラウザバックされてしまいますね。危ない危ない。
さてさて、そんな大ブームを向かえるアニメにおいて今回は2つの作品にスポットを当てていきたいと思います。
題名にあります通り「らき☆すた」と「ラブライブ」です。
この2つのアニメにある共通点があります。
分かる人ならすぐにわかったでしょう。結構有名ですかね?
正解は「地域を巻き込んだアニメである」ということです。
そう!この2つのアニメはアニメと紐づいて舞台となっている地域も一丸となっているんです。
言葉を変えましょう。
アニメの舞台をファンが訪れる「聖地巡礼」が活発なアニメです!
このアニメの聖地巡礼をすることを「アニメツーリズム」とも呼びます。
ツーリズムとも呼ぶものですから、経済効果を生む立派な消費行動なわけなのですよ!
ちょっと見えてきましたね?
「聖地巡礼」を行うアニメとして「らき☆すた」と「ラブライブ」は奇跡であるということなんですよ!
これを読んだあなたはちゃんと納得しますし、誰かにこの話を自慢したくなるでしょう!
さて、Let's 言語化!
①そもそもアニメツーリズムとは何か
②各アニメと地域の関係
③なんで真似しないのか
④地域の協力
①そもそもアニメツーリズムとは何か
アニメツーリズムとはアニメや漫画の舞台となった場所や建物など、作品に関わった現存する場所へ訪れる旅行のことです。
日本国内のみならず海外からの観光客もインバウンドとして訪れているらしく、かなりの経済効果を生む消費行動となっています。
アニメツーリズムの良いところは、あまり目立った観光資源がなくとも観光地になれるという点です。
観光資源の開発をしなくてよいのですから、地域にとっては嬉しい話ですね。しかも、訪れる人はただ訪れるだけでなく、宿泊したり食事したりお土産を買ったりetc…しっかりと地域にお金を落としてくれます。
あまり目立った観光資源の無かった地域が、アニメのおかげで重要な観光資源を獲得できるのです。
中々にロマンがあると思いませんか??
アニメツーリズムで訪れる人がよく行う行動というのは、作中のキャラクターが訪れた場所を探し出して写真を撮ることや、現地で作られたコラボグッズを買うこと。他にはイベントに参加するといったことが挙げられます。
好きなアニメのキャラクターと同じ場所に立てるというのは、オタクからしたら大興奮ものですね!
そんな日本にとっても見逃せない観光行動となった「アニメツーリズム」ですが、「アニメツーリズム協会」と呼ばれるものまで誕生しました。
気になる方は閲覧してみてください。
一般社団法人アニメツーリズム協会 (animetourism88.com)
②各アニメと地域の関係性
では、各アニメについてまとめていきましょう
らき☆すた(2007年放送)
舞台 埼玉県鷲宮市 鷲宮神社
アニメツーリズムの先駆けと言っても過言でないでしょう。
このらき☆すたこそアニメツーリズムを話す上で欠かせない場所になります。
アニメが放送してから直後に鷲宮神社が舞台であることが公表されたました。それによりファンが鷲宮神社に訪れるというのが全ての始まりです。
では、実際に消費行動まで結び付ける地域の行動として何があったのか
(1) 鷲宮神社の特別拝観
(2) 主人公たちの特別住民登録
(3) 声優さんを招いてのイベント
(4) アニメキャラクター印字グッズの販売
(5) らき☆すた神輿の登場(上海万博に展示)
(6) 婚活(オタク婚活)
鷲宮・らき☆すた聖地の10年史/鷲宮におけるまちおこしの経緯 (wasimiya.org)
書き過ぎてもあれなのでこれくらいに・・・
いや、凄くないですか???????
らき☆すた放送終了後も聖地巡礼に訪れる人は多かったそうです。
確認できるだけでも2016年までは地域で何かしらやっていました。
まだまだアニメがマス層に下りてきていなかった時代にこれだけのことを成し遂げた鷲宮は実はめちゃくちゃ凄いんです。
マス層に下りてきていなかった時代にオタクが大量に押し寄せることはあまり受け入れられなかったことと思われます。
そんな時代にオタクが来訪することを受けいれ、且つ様々なイベントを企画した地元商工会や鷲宮神社がいかに当時先進的だったことでしょうか。
私自身が一番驚いたのはらき☆すた神輿です。
写真は著作権とかの関係で載せませんが、調べて頂ければわかります。
らき☆すたのキャラクターが所狭しと書かれているなんともテンションがあがる代物です。
祭りの際に他の神輿と一緒に出されるため、この神輿を背負いたくて祭りの度に鷲宮に訪れるリピーターまで現れることになります。
私もオタクですから気持ちは重々わかります。
好きなアニメの神輿が祭りの時に出されるならその祭りに参加したくなりますから。
ラブライブ!サンシャイン!!
(2016年から2017年)
舞台 静岡県沼津市
静岡県沼津市にある私立浦の星女学院の女子生徒9人がスクールアイドルになることを夢見るアニメです。
こちらは最初から言ってますね「静岡県沼津市」と。
このラブライブ!サンシャイン!!の凄いところは沼津市のPR大使を作中のグループ「Aqours」として第25期(平成29年度)からずっと継続してることです。
1つのアニメがPR大使を7年近く継続してるんですよ!
これ凄くないですか!?
いかにこのアニメがファンから支持されてるかが分かりますし、行政としても地元を舞台にしてくれて、経済効果を生んでくれたアニメに敬意を表していると思います。
では、こちらも地域で何を行ったのか簡単に記していきます。
(1)Aqours出演観光PR動画
(2)スタンプラリー
(3)作品内ロケ地の巡礼箇所まとめ
(4)地域イベントへのAqours参加
(5)返礼品のコラボ
被るところも多そうなのでこれくらいにしておきましょう。
らき☆すたに引けを劣らずこちらも色んなことをされていますね。
らき☆すたはまだ都市部近郊であったため、アクセスも良かっと思いますが、こちらは静岡県沼津市。都市部とは言えない立地を聖地として設定し、人を呼び込んで経済活動を回したという点はなかなかに凄いことかなと思います。
ラブライブ!サンシャイン!!に関して言えば出演声優の方々が沼津市との活動に好意的な部分でしょうか。
「沼津市が舞台で良かった」
(沼津市市制100周年 トークショーにて)
とも仰っていますし、沼津市とラブライブ!サンシャイン!!について調べていくと、声優さん達が現れることが多いと感じるはずです。
らき☆すたは神輿やグッズなど「キャラクター」に焦点が当たっていましたが、ラブライブ!サンシャイン!!は「声優」に焦点が当たっているという点が同じアニメツーリズムでも違うのかなとどことなく感じました。
③なんで真似しないのか
ここまで読んだあなたならこう思うはずです。
「他の地域も真似すればいいじゃん」
ハッキリと言いましょう
「現実的では無いです」
理由は何個かあります。
1番大きな理由は
「アニメがヒットしないといけない」
なのです。
なんならこれが一番の壁でしょう。
いくら地域舞台のアニメを作ったとて、そのアニメがある程度ヒットしないと意味が無いんです。
最初に述べた通り今は大アニメブームです。
そんな群雄割拠な中「地域」に縛りを儲けて作品を作って売れる保証なんて無いんです。
「地域が誘致して作ればいいのでは?」
地域が頑張って企画案を練ってアニメーション会社に誘致活動をしたとしましょう。
それでアニメは作られるか。
多分ないと思います。
今のアニメ作成は「製作委員会方式」です。単独出資ではなくスポンサーからの出資あって作成されています。
日本のアニメにおける製作委員会方式とはどのようなしくみか | 海外との違いも紹介 - ITコラム - 株式会社パラダイムシフト (paradigm-shift.co.jp)
有名雑誌発のアニメに対して地域舞台のオリジナル作品で戦うことになったとして、どちらに出資が集まるでしょうか。
普通は有名雑誌発のアニメでしょう。
それに、アニメーション会社にもあまりメリットはありません。
アニメーション会社は一極集中型の産業のため、都市部に会社が集中しているのが現状です。
“東京の地場産業”だった「アニメ制作」が、なぜかいま地方に続々進出しているワケ(数土 直志) | 現代ビジネス | 講談社(2/5) (gendai.media)
地域舞台のアニメを作るとなれば取材等で地域に赴かなければなりません。しかも、原作がないオリジナルアニメの場合は地域へ赴く回数は増え、より多くの時間とお金がかかりす。
ただでさえヒット作を作成するのが難しいのに、様々な壁がある地域舞台のアニメを積極的に作るには何かしらエネルギーがないとダメということです。
しかも、製作委員会方式の場合アニメーション会社は著作権を持てないので、グッズ作成の権利はありません。但し、著作権所持団体によるグッズが作成された場合は収益を貰えます。ただ、製作委員会内で利益分配なのであんまり貰えません。
アニメがヒットしないと地域に人は来ないしアニメーション会社としても利益は出ない。
アニメツーリズムは簡単じゃないんです。
たまたまその地域が舞台の原作が売れてアニメ化されるというのが、最も地域側とアニメーション会社側双方にとって美味しい流れとなります。
現に「らき☆すた」は原作が売れてました。
「ラブライブ!サンシャイン!!」は前作「ラブライブ」が売れていたため、新作を出してもある程度売れる想定はできます。
完全新作書き下ろしで地域アニメを作るのは色々と至難の業となるのです。
④地域の協力
仮に地域舞台の原作がアニメ化まで行ったとしましょう。アニメ化から観光地化までの過程で大きな壁となるのが「地域の協力」です。
取り上げてる2作品は共にその地域の自治体や商工会が協力して観光地化に励んでいます。
地域の協力が無いとキャラクターやアニメをモチーフにしたグッズを売れません。
また、ファンが訪れることに抵抗がある場合はそもそも良い対応をしてくれません。
これは地域の人が「非協力的だ!」と言いたいのではありません。
もし、アニメで観光地化したいならそれ相応の説明を自治体や会社が行うべきだということに繋がります。なんの説明もなしに急に街がアニメ一色になったら驚く人が多数なはずです。
アニメツーリズムに限らず観光地化には「地域の協力」は最低限必要なんですよ…
まとめると
アニメの観光地化は
・アニメがヒットしないといけない
・アニメーション会社にメリットがあまりない
・作成にかけるエネルギーが大きすぎる
・地域の協力がないといけない
これらの壁を乗り越えて初めてスタートラインに立てます。
ここから先は「観光地として集客できるか」に繋がっていきます。
やばくね???????
ハードル……高すぎでは?????
はい!
どうでしょうか!
「らき☆すた」及び「ラブライブ!サンシャイン!!」がいかに奇跡的な作品であったか。
少しは分かってくださいましたかね??
上で書いた様々な壁を乗り越えたエリートアニメだもいうことを!!
いやぁそれにしても…簡単そうな題名にも関わらず、なんか専門的な記事になってしまいましたね…
反省反省!
でも、ここまで読んでくれたあなたは凄いですよ!
友達に自慢できる小さな話として覚えてくれていれば幸いですよ!!!
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